2010年07月17日

怪談(踏切。追記&再投稿)14。

(注)先日、これと同じ記事をこのブログに投稿しましたが、何故か文章が途中で切れているのに気付き再投稿させていただきます。
ちなみにこの先日この記事を投稿した直後に僕は高熱を出し倒れました。そして現在は回復しましたが、頭痛が続いています。。。
何かを怒らせてしまったのでしょうか?
とりあえず今度は全文記載されるように願います。




数年前、僕は夜中にお酒を飲みにバーに行ってそこで知り合った従業員やお客さんから、怖い話を聴くのを楽しみしてました。

悪趣味な話です(笑)

これもそんな数年前にあるお店の女性従業員Aさんに聴いた話の一つです。

その日は数日前に民放のゴールデンタイムで幽霊がたくさん映ったビデオを流す特番をしていたので、店はその番組の話題で盛り上がってました。
ところが、その話題にまったく参加しない人がいました。
その人は五十代くらいのサラリーマンのおじさんBさんでした。
明らかにBさんは幽霊のビデオの話を不快そうに聴いていました。
それを見たAさんは、しばらくしたらBさんに別の話題をふらないといけないな、と思い始めていたそうです。


しかし…。

Bさんは、いきなりAさんと他のお客さんする幽霊のビデオの話に割り込んできました。酒を思ったより飲んでいたせいか、Aさんたちに半ば絡むようにしてきました。

そして、幽霊のビデオの話を全否定し始めました。「映画やドラマに幽霊が映ってるのは全部宣伝のため」「今はパソコンで何でもできる!」
Aさんは思い出しました。Bさんは、昔いわゆる霊感商法と家族がトラブルを起こした経験があったのです。それ以来、Bさんはオカルト系の話を毛嫌いしていました。


しかし他のお客さんはBさんのそんな事情を知りません。
その場の空気は当然のように悪くなりました。Aさんと幽霊の話をしていたお客さんには若い男性もいて明らかにに険悪な空気をBさんに出していました。

まずい、と思ったAさんはBさんを離れた席に連れていこうとしました。


ところがそこで…


Bさんはいきなり話し始めました。

「この世に幽霊やお化けなんか絶対いない!…ただ…」


「一つだけワシにもわからん経験がある…」と。



それはこんな話でした。


その当時から三十数年前…Bさんが大学生の頃の話です。

Bさんは、その日大学の友人たちと友人の一人の下宿でお酒を飲んでいました。
そして夜もふけてきて、Bさんたちは友人の下宿でそのまま雑魚寝することにしました。
しかし、どうみても部屋は人数オーバーです。
近くに住んでたBさんは乗ってきた自転車で一人で家に帰ることにしました。

友人の下宿からAさんの家は、自転車で十分ほど、途中で踏切を渡ります。


そしてBさんが踏切に差し掛かった時…

カンカンカンカンカンカン…

遮断機が降りはじめました。

Bさんはその時は「捕まった!ついてないな…」くらいに考えたそうでした。

やがてBさんの前を電気の消えた回送列車が通過しはじめました。


そして、Bさんは、線路の向こう側でも踏切に捕まっている人がいるのに気付きました。

二十代くらいの水商売風の女性でした。
通過する電車の隙間から確認できました。
女性は、履いているヒールの踵が折れているらしく、変な立ち方をしていました。

Bさんは何となく「こんな時間まで大変だな…」と女性を見て思いました。


しかし、Bさんはそこである違和感に気付きました。

こんな時間…


Bさんがふと腕時計を見ると、夜中の午前三時前でした。



夜中の三時!?…こんな時間に回送列車が通るのか?


電車はそのまま通り過ぎ、踏切の遮断機も上がりました。


しかし…踏切の向こう側に女性の姿はありませんでした。

少し気味が悪くなったBさんは、足早にその場を去ろうと自転車のペダルを漕ごうとしました…


その時、Bさんの後ろから…


カタポコカタポコポコカタタ…カタタポコカタポコ…カタポコカタポコカタポコカタポコカタポコポココ…











Bさんの後ろから踵の折れたハイヒールで走り寄ってくるような音が聞こえました。


その次の瞬間、自転車の後ろの荷台が誰かに掴まれた感覚がありました。

Bさんは恐ろしくて後ろをまともに振り向けませんでした。
しかし、Bさんは視界の隅で後ろが何となく確認できました。


それはさっき踏切の向こう側にいた女性でした。
女性の顔はBさんの左肩のすぐ後ろくらいにあるこ  続きを読む

Posted by ひふみ 慶 at 12:23Comments(0)怪談

2010年07月15日

怪談(踏切。)14。

数年前、僕は夜中にお酒を飲みにバーに行ってそこで知り合った従業員やお客さんから、怖い話を聴くのを楽しみしてました。

悪趣味な話です(笑)

これもそんな数年前にあるお店の女性従業員Aさんに聴いた話の一つです。

その日は数日前に民放のゴールデンタイムで幽霊がたくさん映ったビデオを流す特番をしていたので、店はその番組の話題で盛り上がってました。
ところが、その話題にまったく参加しない人がいました。
その人は五十代くらいのサラリーマンのおじさんBさんでした。
明らかにBさんは幽霊のビデオの話を不快そうに聴いていました。
それを見たAさんは、しばらくしたらBさんに別の話題をふらないといけないな、と思い始めていたそうです。


しかし…。

Bさんは、いきなりAさんと他のお客さんする幽霊のビデオの話に割り込んできました。酒を思ったより飲んでいたせいか、Aさんたちに半ば絡むようにしてきました。

そして、幽霊のビデオの話を全否定し始めました。「映画やドラマに幽霊が映ってるのは全部宣伝のため」「今はパソコンで何でもできる!」
Aさんは思い出しました。Bさんは、昔いわゆる霊感商法と家族がトラブルを起こした経験があったのです。それ以来、Bさんはオカルト系の話を毛嫌いしていました。


しかし他のお客さんはBさんのそんな事情を知りません。
その場の空気は当然のように悪くなりました。Aさんと幽霊の話をしていたお客さんには若い男性もいて明らかにに険悪な空気をBさんに出していました。

まずい、と思ったAさんはBさんを離れた席に連れていこうとしました。


そこで…


Bさんはいきなり話し始めました。

「この世に幽霊やお化けなんか絶対いない!…ただ…」


「一つだけワシにもわからん経験がある…」と。



それはこんな話でした。


その当時から三十数年前…Bさんが大学生の頃の話です。

Bさんは、その日大学の友人たちと友人の一人の下宿でお酒を飲んでいました。
そして夜もふけてきて、Bさんたちは友人の下宿でそのまま雑魚寝することにしました。
しかし、どうみても部屋は人数オーバーです。
近くに住んでたBさんは乗ってきた自転車で一人で家に帰ることにしました。

友人の下宿からAさんの家は、自転車で十分ほど、途中で踏切を渡ります。


そしてBさんが踏切に差し掛かった時…

カンカンカンカンカンカン…

遮断機が降りはじめました。

Bさんはその時は「捕まった!ついてないな…」くらいに考えたそうでした。

やがてBさんの前を電気の消えた回送列車が通過しはじめました。


そして、Bさんは、線路の向こう側でも踏切に捕まっている人がいるのに気付きました。

二十代くらいの水商売風の女性でした。
通過する電車の隙間から確認できました。
女性は、履いているヒールの踵が折れているらしく、変な立ち方をしていました。

Bさんは何となく「こんな時間まで大変だな…」と女性を見て思いました。


しかし、Bさんはそこである違和感に気付きました。

こんな時間…


Bさんがふと腕時計を見ると、夜中の午前三時前でした。



夜中の三時!?…こんな時間に回送列車が通るのか?


電車はそのまま通り過ぎ、踏切の遮断機も上がりました。


しかし…踏切の向こう側に女性の姿はありませんでした。

少し気味が悪くなったBさんは、足早にその場を去ろうと自転車のペダルを漕ごうとしました…


その時、Bさんの後ろから…


カタポコカタポコポコカタタ…カタタポコカタポコ…カタポコカタポコカタポコカタポコカタポコポココ…











Bさんの後ろから踵の折れたハイヒールで走り寄ってくるような音が聞こえました。


その次の瞬間、自転車の後ろの荷台が誰かに掴まれた感覚がありました。

Bさんは恐ろしくて後ろをまともに振り向けませんでした。
しかし、Bさんは視界の隅で後ろが何となく確認できました。


それはさっき踏切の向こう側にいた女性でした。
女性の顔はBさんの左肩のすぐ後ろくらいにあることがわかりました。
女性の荒い息遣いが感じられました。

パニックになったBさんは、その場から逃げようと必死に自転車を漕いだり、地面を足で蹴ったりして暴れました。


そうしているうちに女性の手が荷台から外れて、女性は地面に突っ伏したのがわかりました。
そのまま逃げようとしたBさんでしたが、女性に右足首を掴まれてしまいました。そして女性はそのままBさんのGパンの裾まで手を滑らせてきます。

Bさんは、必死で女性の手なのか顔なのかを蹴りまくってそのまま何とか家に帰ったそうです。



話はここでバーに戻ります。

Bさんの口から出た意外な話しにAさんや他の客は聴き入っていました。

しかし  

Posted by ひふみ 慶 at 11:47Comments(0)怪談

2009年11月14日

怪談(妖精。)13。

Aさんには奥さんと小学一年生になる一人娘のM美ちゃんがいます。

ある日そんなAさんの家に、Aさんのお兄さんが遊びに来ました。
Aさんのお兄さんは独身で自分に子供がいない事もあってか、M美ちゃんを自分の子供のように可愛がってました。
お兄さんはAさんの家に遊びに来るたびに玩具やお菓子を買って来るので、Aさん夫婦はM美ちゃんを甘やかす事になるんじゃないかと心配していました。
Aさんはお兄さんに直接、M美ちゃんにあまり物を買い与え過ぎないで欲しい、と言いました。
が、お兄さんの言うには「小さい頃に玩具でたくさん遊ばせた方が感受性が育って良い」と言います。

お兄さんの言う事にも一理ありました。M美ちゃんは一人で人形や玩具相手に何やら会話をして遊んでました。
そして最近はM美ちゃんの会話の相手が玩具だけでなく、Aさんの奥さんの三面鏡とも話しをするようになってきました。
M美ちゃんの言うには、「鏡の中に空を飛ぶ妖精のお姉さんが住んでいてお話している」という事でした。
その三面鏡はAさんの奥さんが大学生の時にバザーで安く買って未だに使っているものでした。

Aさん夫婦はM美ちゃんのこういった感受性が将来もしかしたら芸術方面で花開く事があるかもしれないと思い、お兄さんの買い与え過ぎだけには注意して暫く見守る事にしました。

話を元に戻します。
その日Aさんの家に遊びに来たお兄さんは珍しく、M美ちゃんへの玩具のお土産を持ってきていませんでした。
そのかわり…
新しく買ったビデオカメラを持ってきていました。
もちろん、M美ちゃんを撮るためでした。
Aさん夫婦はこれには大賛成でした。玩具を買い与えるより教育に良いし、思い出の映像として残ります。

そしてM美ちゃん自身も喜びました。自分の友達の人形や鏡の中の妖精のお姉さんも一緒に撮って欲しいとお兄さんにせがみました。

お兄さんももちろん了承しました。




「…えっと…このコが一番お姉ちゃんで、このコは妹で…」
M美ちゃんは人形を一体ずつカメラに向けて嬉しそうに説明をしていました。
M美ちゃんは自分の周りに人形を並べていました。M美ちゃんの後ろには三面鏡がありました。
M美ちゃんは嬉しそうに「次は鏡の妖精さん。」と言って三面鏡の方に行きました。
M美ちゃんは三面鏡に向かって何かゴニョゴニョと喋りかけていした。
M美ちゃんには妖精が見えているようでした。しかしカメラで撮影しているお兄さんにもAさん夫婦にも妖精の姿は見えません。

そこでお兄さんがM美ちゃんに聞きました。
「M美ちゃん、おじちゃんは鏡の妖精さん見えないんだ。どんな妖精さんか教えてくれる?」
M美ちゃんは嬉しそうに言いました。
「お姉さん!」

お兄さんは聞きました。
「どんなお姉さんなんだい?」
M美ちゃんは「うーん…」と考え込みました。

お兄さんは、考え込むM美ちゃんを見てちょっと質問がおおざっぱ過ぎたか…と思いもう一度聞き直しました。
「M美ちゃん、お姉さんはどんな髪型してるの?」
今度はM美ちゃんはすぐに答えました。
「肩くらいまでの長さだよ!」
お兄さんは続けて質問しました。
「お姉さんは今何してるの?」
M美ちゃんは答えました。
「宙に浮いてるよ!」

お兄さん「妖精のお姉さんをおじちゃんのカメラで撮らせて貰ってもいい?」

M美ちゃんは鏡に向かってボソボソと話し掛けました。そしてお兄さんの方に振り返り、
「良いよ」と答えて鏡の前からどきました。

お兄さんは鏡をカメラで映しながら、「妖精のお姉さんはちゃんとカメラに映ってるかな〜?」とおどけながらカメラをまわしていました。
M美ちゃんもその様子に嬉しそうにはしゃいでました。

Aさん夫婦もそれを微笑ましく見ていました。
Aさんの奥さんは「M美には鏡の中にピーター・パンのティンカーベルみたいな妖精が見えているのかしら。私が化粧で使う時はただの三面鏡なのに」とAさんに言いました。
Aさんは「M美は将来、絵本作家にでもなりそうだな」と答えて微笑みました。



その数日後。。。


その日はお兄さんが先日撮影したビデオをDVDに焼いて持って来る日で、M美ちゃんも楽しみにしていました。



ところが…


お兄さんは電話で連絡してきて、「この前のビデオ、どうやらカメラが壊れてたみたいでな…。撮れてなかった…ごめん…」と少し歯切れ悪い感じで言ってきました。
M美ちゃんもそれを聞いてとても残念そうにしていました。



それから暫くしたある日。
AさんはM美ちゃんが以前のように三面鏡の前で遊ばなくなっている事に気付きました。

AさんはM美ちゃんに「もう鏡の妖精さんとは遊ばないの?」と聞いてみました。
すると…

M美ちゃんは「妖精のお姉さん、怒ってるの…」と悲しそうに答えました。
Aさんは「何で怒ってるの?M美が怒らせたのかい?」

M美ちゃんは「お姉さんがM美に自分のいる世界においでって言うの…」と答えました。

Aさんは「で、M美はお姉さんに何て答えたんだい?」と聞きました。

M美ちゃんは「パパとママと離れないといけないから嫌って… 」言ったと答えました。

Aさんは「そしたらお姉さんが怒りだしたの?」と聞きました。

M美ちゃんは「うん、それからずっと怒ってるの。…で、ずっと鏡の中からM美の事を呼んでるの…」と答えました。



Aさんは「じゃあ、今度M美が妖精のお姉さんに呼ばれたらパパも一緒に三面鏡の前に行ってあげるよ」とM美に言いました。

すると…

M美ちゃんは「今も呼んでる…一日中ずっとM美の事を呼んでるの…」と答えました。

Aさんは「よし!じゃあパパが妖精のお姉さんに言ってあげる!」と言ってM美ちゃんを三面鏡の前まで連れて行きました。
そしてAさんはM美ちゃんの前に立ち、三面鏡に向かって言いました。
「妖精のお姉さん、M美はうちの娘だからそっちには行けないんだ。妖精さんは妖精さんの住む場所に帰りなさい!」
Aさんはそう言って三面鏡を閉じました。

もちろんAさんには妖精の姿は見えず、鏡には自分の姿しか映ってませんでした。けど、こうやって芝居をする事でM美ちゃんが安心すると思ったのでした。

ところが…


Aさんが三面鏡を閉じてM美ちゃんの方に振り返るとM美ちゃんは大きな声で泣き出しました。

「妖精のお姉さん、凄く怒ってた。怖い!怖い!」とM美ちゃんは言いました。

M美ちゃんはそれから酷く怯え出したので、Aさんは奥さんと相談して三面鏡を押し入れにしまい込みました。



しかし…


M美ちゃんはそれでも、妖精のお姉さんの声が聞こえると怯えていました。


困り果てたAさんは、お兄さんに相談する事にしました。



Aさんはお兄さんの家に行き、事情を話しました。

すると、話しを聞くお兄さんの顔が何故か物凄く青ざめて行きました。
Aさんが話し終わる頃には、お兄さんは顔面蒼白で額には脂汗をかいていてかなりショックを受けて動揺しているようでした。


お兄さんは、タバコを一服吸って気持ちを落ち着かせてから、Aさんに尋ねました。
「あの三面鏡はどこで買ったんだ?」

Aさんは「妻が大学生の時、学内のバザーで買ったと言ってたけど…」と答えました。

お兄さんは「前の持ち主はわからないのか?」と聞きました。

Aさん「うん、わからないと言ってたよ。兄さん、何が聞きたいの?」


お兄さんは少し黙ってから言いました。






「あの三面鏡はすぐにでも処分した方がいい…」



戸惑うAさんに向かってお兄さんは続けて言いました。

「この前、ビデオを撮っただろ…」

「ビデオって。あれは壊れてて撮れてなかったんだろ?」Aさんは言いました。


するとお兄さんは…

「あれは嘘だ。お前たち家族は観ないほうが良いモノが映っていたんだ…」


Aさんが戸惑っていると、お兄さんはさらに言いました。

「あの三面鏡はすぐに処分しろ。これを観ればわかる…」


そしてお兄さんはビデオの再生スイッチを押しました。




「…えっと…このコが一番お姉ちゃんで、このコは妹で…」
M美ちゃんは人形を一体ずつカメラに向けて嬉しそうに説明をしている、あの日のビデオの映像でした。


キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル〜…。

お兄さんはビデオを早送りしました。
そして「ここだ…」と言ってビデオを再生に戻しました。


………M美ちゃんは嬉しそうに「次は鏡の妖精さん。」と言って三面鏡の方に行きました。
M美ちゃんは三面鏡に向かって何かゴニョゴニョと喋りかけていした。
M美ちゃんには妖精が見えているようでした。しかしカメラで撮影しているお兄さんにもAさん夫婦にも妖精の姿は見えません。

そこでお兄さんがM美ちゃんに聞きました。
「M美ちゃん、おじちゃんは鏡の妖精さん見えないんだ。どんな妖精さんか教えてくれる?」
M美ちゃんは嬉しそうに言いました。
「お姉さん!」

お兄さんは聞きました。
「どんなお姉さんなんだい?」
M美ちゃんは「うーん…」と考え込みました。

お兄さんは、考え込むM美ちゃんを見てちょっと質問がおおざっぱ過ぎたか…と思いもう一度聞き直しました。
「M美ちゃん、お姉さんはどんな髪型してるの?」
今度はM美ちゃんはすぐに答えました。
「肩くらいまでの長さだよ!」
お兄さんは続けて質問しました。
「お姉さんは今何してるの?」
M美ちゃんは答えました。
「宙に浮いてるよ!」

お兄さん「妖精のお姉さんをおじちゃんのカメラで撮らせて貰ってもいい?」

M美ちゃんは鏡に向かってボソボソと話し掛けました。そしてお兄さんの方に振り返り、
「良いよ」と答えて鏡の前からどきました。

お兄さんは鏡をカメラで映しながら、「妖精のお姉さんはちゃんとカメラに映ってるかな〜?」とおどけながらカメラをまわしていました。




鏡にはカメラを構えるお兄さんに重なるようにして…












首吊り自殺をしている半透明の若い女が映ってました。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 13:55Comments(4)怪談

2009年11月07日

怪談(蛾。)12。

今は社会人として生活しているA子さん。彼女は、外から中身の見えない容器や箱の蓋を開ける事に恐怖心があります。
それは、彼女の幼少期に起きたある出来事がトラウマになっているからです。



A子さんにはB美さんという二つ年下の幼なじみの女の子がいました。
B美さんは生れつき体が弱いため、ほとんど外に出ない生活をしていました。そのため幼稚園や保育園にも通うことが出来ませんでした。

B美さんの友達はA子さんだけでした。
A子さんは家が近所ということもあり、B美さんの家に行ってよく遊んでました。
B美さんもA子さんの事を実のお姉ちゃんのように慕っていました。

A子さんがB美さんの家に行くと、B美さんは贈り物の洋菓子が入っていた鉄の箱を持ってきました。その中には゛おままごと゛の道具や小さな人形や縫いぐるみが入っていて、二人はそれで遊びました。
その箱はかなり古いもので、元々はやはりお菓子の箱で、それをB美さんの祖母が小物入れとして長い間使っていました。が、B美さんの祖母はB美さんが産まれて少し後に他界しました。
B美さんの祖母はB美さんをとても可愛がっていたので、B美さんのお母さんはB美さんに祖母の形見代わりにその箱をあげたということでした。



A子さんとB美さん…。小さい頃は仲良く遊んでいた二人でしたが…。


A子さんが小学校に入学し、環境が変わってくると二人はだんだん疎遠になっていきました。
A子さんには学校での友達が出来たため、そっちとよく遊ぶようになってB美さんの家にはほとんど行かなくなりました。

A子さんにとって年下のB美さんと遊ぶより、同い年の同級生と遊ぶほうが楽しく感じられたからでした。
最初はお母さんに言われたりしてB美さんの家に時々遊びに行っていたA子さんですが、それもだんだんと面倒臭くなりました。
が、B美さんの方はA子さんに懐いているのでA子さんは気まずくなり、B美さんを完全に避けるようになっていきました。

後日に聞いた話では、B美さんはその当時物凄く淋しそうにしていたそうです。




やがて月日は流れて…


B美さんが小学校に入学する年がやってきました。
A子さんは複雑な気持ちでした。B美さんと一緒に学校に通うことになって顔を合わせるのも気まずかったり、付き纏われたりするのも面倒臭いと思ってました。


しかし…


B美さんは、体の具合が良くなく小学校に通学することは出来ないとの事でした。


それを聞いてA子さんは…


…………………ホッとしました………………………




けれども…この頃からA子さんの周りに奇妙なそして気味の悪い出来事が起こり始めました。




ある日、A子さんが下校をしようと準備していた時の事です。クラスのみんなが帰る用意をしていて、A子さんもランドセルに荷物を詰め、帽子を被りました。


その時…………………!?


A子さんは帽子の中に異様な感触があるのに気付きました。何かがバタバタと動いているのです。


A子さんは、びっくりしてあわてて帽子を取りました。

すると……………………!




帽子の中に半分潰れかけてバタバタともがいてる蛾がいました。


「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」

A子さんは悲鳴をあげました。そしてショックで腰が抜けてしまいました。
友達やクラスメートがA子さんの周りに集まって来ました。みんなは潰れた蛾を気味悪そうに見ています。
そしてクラスの男子生徒たちがA子さんを見て「A子に蛾の黴菌がついた!」からかい始めました。
それをきっかけにA子さんは泣き出してしまいました。
A子さんの女友達はA子さんをからかった男子生徒を怒って追い払いました。

A子さんはもの心ついた頃から蛾が大嫌いでした。あの太い胴や目玉のような模様のついた羽など生理的に受け付けないものばかりでした。

A子さんは以前に学校の友達に蛾についての嫌な思い出を話した事がありました。


友達の家で遊んでいた時の事でした。
気候も良く、部屋の窓を開けて風を通していました。
そこに…

外から一匹の大きな蛾が外から入ってきたのでした。
A子さんは蛾が大嫌いです。なので悲鳴をあげて逃げようとしました。しかし…

蛾はそんなA子さんの方にばかり飛んできました。手で追い払っても逃げても蛾は大きな羽をバタつかせてA子さんの方にきます。

最後は友達のお母さんが追い払ってくれましたが…。



A子さんにとっては忘れてしまいたい出来事でした。そしてその出来事はB美さんの家で起きた出来事でした。



教室に戻ります。。。。

A子さんの友達が蛾の死骸を片付けてくれて、A子さんは落ち着きを取り戻しました。
そして友達と一緒に下校している途中に…



A子さんたちが歩いている道の先に大きな蛾が飛んでいるのが見えました。
A子さんはたじろぎましたが、友達が「大丈夫」と言ってA子さんに付き添って歩いてくれました。

ところが……………!


蛾は真っ直ぐにA子さんの方に向かって来ました。友達も追い払おうとしてくれましたが、蛾はA子さんを目掛けて飛んできます。






………………………あのB美さんの部屋の出来事のようでした………………………………………


その日は友達に付き添われて家に帰ったA子さんでしたが、それからA子さんは事あるごとに蛾に付き纏われるようになりました。

筆箱の中に蛾が死んでいたり…

引き出しを開けると蛾が飛び出してきたり…

お風呂の蓋を開けると死んだ蛾が浮いていたり…

鞄やランドセルの中にも…

A子さんは道を歩く時は蛾に注意し、引き出しや箱の蓋をどうしても開けなければいけない時は顔を背けて恐る恐る開けるようになりました。
そして筆箱も透明の中が見えるものに変え、ランドセルの中に荷物は入れず、透明なビニール鞄に教科書等を入れて通学しました。


そんな事が続きすっかり元気がなくなっていたA子さんですが、その日は学校が終わってから友達と連れ立ってウキウキしながら出掛けました。

次の日、遠足があったのでそのオヤツを友達と買いに行ったのでした。

その帰り道、A子さんたちはB美さんの家の前を通りかかりました。
A子さんは何気なくB美さんの家に目を向けました。すると…。。。

B美さんの家は空き家になっていて誰も住んではいなくなっていました。



A子さんはその日の晩、B美さんの家が空き家になっていた事をお母さんに言いました。
するとお母さんはその事を知ってたようで、B美さんは療養のため、田舎に引っ越して行ったと教えてくれました。

A子さんはその夜、寝る前にB美さんの事を思い出しました。B美さんはA子さんのする遠足の話をとても楽しそうに羨ましそうに聞いていました。
やがてA子さんは眠りにつきました。




次の日。待ちに待った遠足でした。

A子さんは中のよい友達数人と班を組み、行動する事になっていました。
目的地の自然公園につき、班に別れて楽しくコースを散策し、やがて昼ご飯の時間になりました。


広場で班に別れ各々にレジャーシートを敷いていよいよお弁当です。



お弁当…………!


A子さんはお弁当の蓋を開けるのを躊躇いました。「ふ、蓋を開けるのが怖い…!」

そこに友達が「A子ちゃん、どうしたの?早くお弁当食べよう!」

A子さんは「大丈夫…」と自分に言い聞かせてお弁当の蓋を開けました。。。


「ぎゃあああああああああああああああああああああ!」

A子さんの悲鳴が上がりました。

蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾…


A子さんの弁当箱の中で大小無数の蛾が潰れて死んでいました。
ショックを受けているA子さんを落ち着かせようと、友達がA子さんの水筒を取り出し、お茶を入れようとしました。しかし…


水筒を傾けてもコップにお茶が注がれません。A子さんの友達は水筒の内蓋を外して、水筒を傾けてみました。すると…!


蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾蛾…!


ボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボトボト…!

水筒の中から無数の蛾がこぼれ落ちてきました。驚いた友達は悲鳴をあげました。
A子さんはショックで意識を失い、そのまま家に帰されました。


A子さんはその日のショックで体調を崩し、翌日から学校を休み始めました。

A子さんの身体はどんどん衰弱していきました。医者に診て貰ってもはっきりした理由がわかりませんでした。
そしてA子さんは身体が自由に動かなくなってから更に蛾を恐れるようになりました。
そこから来る不安定な精神状態もA子さんの体調に悪い影響を与えました。

このままA子さんは最悪の状況に向かって行くと思われた時…


A子さんが倒れた遠足の日から一ヶ月ほど経ったある日、A子さんの病状は突然回復しだしました。

普通に食欲も出てきて一週間ほど経った頃には家の中を歩き回れるくらいに回復していました。医者も2〜3日様子を見て大丈夫だったら学校に行っても良い、と言ってくれました。

ちょうどその頃でした。A子さんのお母さんはこっちに用事で偶然戻って来ていたB美さんのお母さんに再開しました。

その時A子さんのお母さんが聞いた話だと田舎の環境が身体にあっていたのか、B美さんは体調がどんどん回復し、一週間ほど前から小学校にも通っているとの事でした。
A子さんはそれを聞いて嬉しく思いました。自分も身体がよくなったら一度B美さんに会いに行こう。そして昔、冷たくした事を謝ろう、と思いました。


そしてA子さんも体調は回復し、医者の許可を得て学校に通い始めました。
蛾に追い回される事もなくなりました。
季節も冬になってきて蛾がいなくなったのかなとA子さんはは思っていたのですが。。。


そんなある日、A子さんに小包が届きました。


B美さんからでした。


A子さんは嬉しく思いました。A子さんはB美さんに会いたかったのですが、実はB美さんの住所がわからなかったのでした。

「よかった、これで住所がわかる!」と小包をみましたが、差出人の住所は書いてなくてB美さんの名前だけが書いてありました。


A子さんは不思議に思いましたが、小包を開けてみました。


中身は…


昔、B美さんが玩具を入れていたあの祖母の形見だというお菓子の箱でした。

A子さんは「懐かしい」という気持ちもありましたが、B美さんが大事にしてた箱がどうして?と疑問に思いました。

箱には便箋が送付されてました。

A子さんは、便箋に住所が書いてあるのかと思い開けてみましたが、書いてありませんでした。

そのかわりに

……………………………「いらなくなったから」……………………………………………………

とだけ書いてありました。


A子さんは不思議に思いながらも箱を開けてみました。


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

A子さんは箱を開けて絶叫しました。


箱の中は懐かしい玩具ではなく…


箱いっぱいの蛾の死骸でした…………




そして



蛾の死骸の真ん中にA子さんの写真の切り抜きが乗せてありました。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 07:50Comments(4)怪談

2009年10月30日

怪談(見つけた。)11。

Aさんが、小学四年生の時、初めて自分の一人部屋を貰いました。
Aさんの家は田舎の一軒家で、百年以上前に建てられた元の家を増改築してAさんの家系が、何世代かに渡って暮らしていました。


Aさんが使うことになったその二階にある部屋は元々は亡くなった祖父が使っていた部屋で、祖父が他界してからは誰も使わず物置部屋のようになっていた部屋でした。
Aさんの両親はAさんに部屋で一人で勉強をする習慣をつけて貰いたかったようでした。
Aさん自身は自分の自由になる遊び場が出来たことが嬉しく感じていました。

しかしそんな中、祖母だけはAさんが、祖父の部屋を使う事を何故か最後まで反対しいていました。

そして…机や本棚や新しく用意されたベッドも揃えられた自分の部屋でAさんは、初めて夜眠る事になりました。
Aさんは今まで両親と同じ部屋で寝ていたので一人部屋で寝るのは少し寂しい感じもありました。
が、しばらくすると眠気がきてAさんはまどろみ始めました。そしてそのまま眠りそうになったその時…


ガサガサ…ズルズル…ガサ………!

天井から音がします。
Aさんは「鼠かな…?」とAさんは思いました。しかし、それにしては音に重量感があり、何かを引きずる音も聞こえます。
その音はかなり長い間続きました。Aさんも音が気になってその晩は遅くまで眠れませんでした。


次の日Aさんは、お父さんに昨晩の天井の音の事を話しました。
すると、お父さんも「鼠の仕業だな」と言いました。そして仕事が終わってから天井裏を見てくれる事になりました。


その日の晩、お父さんはAさんの部屋に来て天井裏の様子を見ようとしました。
しかしAさんの部屋の天井板は外れる場所がなく、天井裏の様子を見ることは出来ませんでした。
そのためお父さんは、二階の天井板が外れる別の部屋から天井裏に鼠取りを仕掛けました。



そして…

その晩、Aさんが部屋で寝ていると…


ガサガサ…ズルズル…ガサガサ…ズルズル…!

例の音が聞こえます。
Aさんは「鼠が捕まるまでの辛抱だ」と気にせず無視する事にしました。

しかし…


ガタッガタッガタッガタッガタッガタッ…!

Aさんが寝ているベッドの上にある天井板が動き出しました。

「鼠!?…でも天井板は動かないはずなのに…!?」と、Aさんは思いました。


すると…


天井板が外れ…その隙間から…



白く細い指が出てきて、バタバタと動き出しました…!


「わあああああああああああああ!」

Aさんは驚愕と恐怖のため叫び声を上げました。
すると、その声を聞いた両親と祖母がAさんの部屋にやってきました。
Aさんは、指の事を話しました。が、いつの間にか天井は元に戻っていました。両親は、寝ぼけていたんだろう、と取り合ってくれませんでした。
けれども祖母だけは「怖かったら、おばあちゃんの部屋においで」と言ってくれました。
その日からしばらくの間、Aさんは祖母の部屋で寝ました。




数日後…

Aさんの気持ちもだいぶと落ち着いてきたので、祖母の部屋から自分の部屋に戻ることになりました。


そしてその晩…


Aさんが寝ていると…



ガサガサ…ズルズル…ガサガサ…ズルズル…!

天井から音が聞こえました。そして…



ガタッガタッガタッガタッガタッガタッガタッ…!

天井板が動き出しました。そして…


その隙間から白い指が出てきました。
Aさんは今回は恐ろしくて声も出ず、体も動きませんでした。そして更に指は天井から履い出てきて…

天井板を完全に退かし…そこから…




髪の長い白い顔の女が顔を出しました…!


女は、Aさんの事を物凄く怖い顔で睨みつけていました。そしてAさんにこう言いました…






「見つけた…」




女は天井板一枚の小さな隙間に無理矢理体を捩りこませるようにしてAさんの方へ向かってきました。
不思議な事に重力で下に垂れるはずの女の髪の毛は垂れずにそのままの状態でした。

Aさんは恐ろしくて声も出ず体も動かない状態でしたが、何とか反動をつけてベッドから無理矢理転がり落ちました。

そして叫べない代わりにわずかに動く手や足で必死に部屋の床を叩いたり蹴ったりしました。

すると、その音を聞き付けて両親と祖母がAさんの部屋にやってきました。

Aさんは両親と祖母に今あった事を話しました。が、また女も消えて天井も元に戻ってました。

Aさんは「この部屋は怖いからもう嫌だ!」と泣きながら両親と祖母に言いました。

すると、お父さんが「我が儘ばかり言うな!」とAさんをきつく叱りました。そしてAさんの話も、また寝ぼけているだけだ、と聞いてくれませんでした。

すると、お父さんと泣いているAさんの間に祖母が入ってくれました。

結局、Aさんはその晩だけまた祖母の部屋で寝ることになりました。



次の日の朝…

Aさんが起きるとすでに祖母は起きていて仏壇に向かってお経をあげていました。

祖母はAさんに「今日からは自分の部屋で寝れるようにしてあげるからね」と言いました。


祖母は、Aさんが小学校に行くより早く家を出て、どこかに出かけて行きました。



Aさんが、学校から戻るとAさんの部屋に一枚のお札が貼ってありました。
祖母が用立ててくれたものでした。

Aさんはその日の晩、再び自分の部屋で寝ましたが、その夜は物音も女の幽霊も出ませんでした。

そしてそれ以降、Aさんの部屋に女の幽霊が現れる事はありませんでした。


それから月日は流れ…
Aさんもいつしか幽霊の事も忘れていきました。

そしてAさんが中学生の時、祖母が他界しました。


更にそれから数年後…。



Aさんは大学進学のため、実家を離れて一人暮らしをする事になりました。部屋は大学の近くに手頃なマンションが見つかりました。

そんな一人暮らしを始めたAさんはある夜…

Aさんは寝床に入り、寝ようとしているところでした。
その時…

ドンドンドンドンドン…!

乱暴にドアを叩く音が聞こえました。Aさんはめんどくさそうに玄関に確認に行きました。

そしてドアを開けると、酒に酔った大学の友人三人が立っていました。
Aさんの部屋は、大学の近くにあるため呑んだり遊んだりして終電がなくなった友人たちがこうしてよく泊まりに来るのでした。

そんなことが続いてしばらくたった頃、Aさんはマンションの管理人さんに呼び出されました。
Aさんの友人が夜中にやってきてうるさいと他の住人から苦情が来ているという報告でした。非常階段を夜に上ったり下りたりする音もやかましいということでした。
こんなことが続くようなら退室してもらう、とAさんは管理人から釘を刺されました。

Aさんは友人たちに管理人に呼び出された事を話しました。すると友人たちは夜中にほぼ来なくなり、どうしてもという時も静かにやってくるようになりました。

ただ…

友人たちが夜中に迷惑をかけているのはAさんもわかっていましたが…。



非常階段を上がったり下りたり…。というのにはAさんも友人も心当たりがありませんでした。

そして。しばらく経ったある夜…


Aさんが、いつものように寝ようとしていると…


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…!
非常階段を走る音がします。Aさんは「これか…」と思いました。そして心の中で友人たちに「いい加減にしろよ!」と悪態をつきながら窓から非常階段の方を見ました。が…。


非常階段には誰もいませんでした。そしていつの間にか音も止んでいました。


それでまたAさんが、寝ようとすると…





ドン!ドシン!ベタン!バタン!ドン!…


今度はAさんの部屋のドアから凄まじい音がしました。
これは、ドアを叩くというより体当たりでもしているような音です。


Aさんは友人たちが酔っ払ってるとは言え、やり過ぎだ!と憤りを感じました。そしてそのまま怒りながら玄関に向かいました。


Aさんは玄関にたどり着き、怒りに任せてドアを勢いよく開けて言いました。

「おい、お前ら!ふざけ過ぎだろ!前にも言ったろ!これ以上…」



外には誰もいませんでした。

最初はびっくりしたAさんでしたが、すぐに「あいつらふざけて隠れてるんだな…」と思いました。

「それならこっちもドアを閉めて帰ってやる!」Aさんはドアを閉めようとしました。


しかし…


ドアに何かが挟まっているようで閉まりません。

Aさんが足元を見ると…



白い指でした…

驚いたAさんはドアを閉めようとしましたが、指は凄い力で強引に中に入ってきます。


そして指はどんどん中に入ってきて、Aさんの右足首を掴みました。
Aさんは叫び声をあげようとしましたが、声が出ません。Aさんの右足首を掴んだ手は物凄い力でドアの外に向かって引っ張るので、Aさんは必死に抵抗していました。


しかし、さらに…


Aさんの足元にドアの隙間から、別の何かが無理矢理入ってきました…


人間の頭でした…


それは無理矢理ドアの中に入ると上を向き、Aさんを見上げました。そしてAさんを睨みつけました…



Aさんに小学生の時の記憶がよみがえりました…

Aさんを睨んでいるのは、あの天井から出てきた女でした。

女の顔はAさんを睨みつけたまま…


すすすすすすすすすすすすすすす…!


…っとドアに沿って滑るようにAさんの顔と同じ高さまで上がってきました。そして…





「見つけた…!」



女は言いました。


Aさんは必死に女のドアを開けようとする力や外に引っ張ろうとする力に抵抗しました…



そして…



気が付くとAさんは友人たちに囲まれて部屋で介抱されてました。

Aさんはわけがわからず、友人たちに今の状況をたずねました。

すると友人は、自分達がいつものようについさっきAさんの家に来たら、Aさんが、右足を自分の玄関のドアに挟んで倒れていた…。そして意識のないAさんを部屋の中まで運んだ…と言いました。
Aさんの右足はドアにきつく挟んだためか痣だらけになっていました。


Aさんは、小学生の時に見た女の幽霊が出た…と友人たちに話しました。

すると友人たちは、「夢でも見て寝ぼけていただけだろ!」と笑いました。


しかし…


あるものを見つけてAさんも友人たちも驚愕しました。
友人たちはAさんに実家に帰って祖母から貰ったお札を持ってくることを勧めました。

Aさんももちろん同意しました。


Aさんの右足首には、ドアに挟んだ痣だけでなく、強い力で締め上げたような手形がついていました。


そして…


Aさんのマンションの部屋の真新しい白い天井に…

ものすごく怖い顔をした女の顔のような染みが浮き出ていました…(糸冬)

  

Posted by ひふみ 慶 at 17:54Comments(2)怪談

2009年10月25日

怪談(咳)10。

「自分の部屋に帰るのが怖い…」
と、Aさんの友人のBさんは言いました。
大学の学食でAさんが、Bさんから聞いた話はこのような話でした。



ある夜Bさんは、寝苦しくて目を覚ましました。すると…
隣の部屋から咳込む音と時折苦しそうなうめき声が聞こえてきました。

Bさんの部屋は古い木造のアパートで、Bさんの部屋は二階の一番端で隣は老夫婦が住んでいました。
咳は年配女性っぽかったのでBさんは隣のおばあさんが身体を壊して寝込んでいるのだろう、とその時は思っていました。

そして昨日Bさんは、家の近所で老夫婦が散歩しているのを見掛けました。おばあさんも元気そうに歩いていたので声をかけてみました。

「こんにちは。おばあさん、身体の具合はどうですか?」

おばあさんは怪訝な顔をして「何の事?」と聞いてきました。

Bさんは、夜聞こえる咳やうめき声の事を話しました。すると…。

おばあさんとおじいさんは、自分たちは咳なんかしてないし夜中にそんな音は聞いたことがない、と答えました。



Bさんは、納得いかない部分もありましたが、おばあさんもおじいさんも元気そうなので今晩から咳の音も聞こえないだろう、と思うことにしたのでした。ところが…



その晩、つまり昨晩も咳の音は聞こえました。そして…


咳の音の出所を冷静に追ってみると、それは隣の老夫婦の部屋ではなく、自分の部屋の中のどこかだという気がしてきました。
さらに、咳をしている人はおばあさんだと思っていましたが、よく聞くともう少し若い五十歳前後ぐらいの女性だという感じがしてきました。
Bさんは恐ろしくなり、頭から布団を被って寝たのでした。



…その話を聞いたAさんは、話の曖昧な点を整理するため、Bさんにいくつか質問をしてみました。

まず、アパートにBさんと老夫婦以外の住人はいるのか?特に五十歳前後くらいの女性に該当する人はいるのか?

Bさんの答えは、残り四部屋中、三部屋はBさんと同じ男子学生、あと一部屋は一人暮らしの四十代くらいの男性。五十歳前後の女性はいないとのことでした。

では、咳の音はアパートの近所の別の家から聞こえてきた可能性は?

同じ建物の中で響いてる感じがするのでそれはない、とBさんは答えました。

では、咳が聞こえ始めたのはいつ頃から?

Bさんは少し考えて、二週間くらい前と答えました。

Aさんは、「お化けだとしてもそうじゃないとしても、その二週間くらい前に何かあったはずだから心当たりはないか?」とBさんに聞きました。

すると、Bさんはまた少し考えてから言いました。
それはこういう話でした。

Bさんはいつものように原付きスクーターで通学していました。が、その日は前日に降った雨のせいで路面が濡れていました。そしてそのせいでBさんは原付きで転倒してしまいました。
Bさんに怪我はなく原付きの損傷もたいしたことなかったのですが、近くにあったお地蔵さんのお供えものが無茶苦茶になってしまったのでした。
しかしBさんは、その日は急いでいたので無茶苦茶になったお供えものをそのままにしてきた、ということでした。


Aさんは霊現象等には懐疑的な考えの持ち主だったのですが、とりあえず不安要素は解決する意味で、Bさんの案内でお地蔵さんのある場所に向かいました。


お地蔵さんのお供えものは既にきれいに直してありました。
Bさんは、自分の買ってきたお茶をお地蔵さんに供え、手を合わせました。

その後、AさんはBさんと一緒にBさんの家に向かいました。
Bさんの家は本がたくさんありました。それはコレクションという程きれいなものではありません。
Bさんの趣味は古本屋のワゴンで安く売っている本を適当に選んで買ってくる事でした。一冊の相場が十〜二十円等なので、Bさんは手当たり次第気になった本を買ってきました。
なのでとっくに本棚には入りきらなくなった本は、部屋中に無造作に積まれている状態でした。
AさんはBさんの許可を得てその中の気に入った本を時々貰って帰っていました。Aさんがいつものように本を物色していると、高く積まれた本の中から一冊の本がAさんの頭に落ちてきて当たりました。
「痛いっ!」Aさんは、もうちょっと片付けろ!と冗談ぽく言いました。
Bさんは、じゃあたくさん持って帰って、と言い返してきました。
Aさんは何気なく落ちてきた本を見ました。古いミステリー小説の文庫本でした。作者は知らない人でした。
Bさんはそれを見て、「それ、古過ぎて印刷の字がかすれてて、読んでると頭痛くなってくるから、お前にやる」と言ってきました。
Aさんが「いらない!」と言い返すとBさんは笑っていました。Bさんはお地蔵さんの一件でだいぶと気持ちが軽くなっているように見えました。…ところが…。。。





次の日、大学に来たBさんは酷くやつれた様子でした。時折ゴホンゴホンと咳をしています。
BさんはAさんに言いました。「お地蔵さんは関係なかったみたいで、咳は昨晩も聞こえた、それだけじゃなくて誰かの視線のようなものをずっと感じてた。」
そしてBさん自身も朝起きると咳が出て体調が酷く悪くなってたのでした。
結局Bさんは、その日は途中で大学から帰り、次の日からも大学には来ませんでした。

数日後、大学に来ないBさんを気にしてAさんはBさんに電話で連絡をとってみました。すると…。

電話に出たBさんは咳をしながら「俺はもう長くない、頭が痛い、苦しい、見張られている、連れていかれる…」などわけのわからない事を口走っていました。


Bさんが心配になったAさんは、そのままBさんの家に向かいました。
AさんはBさんの体調不良についてこう考えてました。まず、Bさんの家は正直、清潔とは言えない環境です。古本に溜まった埃とかが咳の原因ではないか…?
もうひとつ、女性の咳の音は、単に他の部屋の誰かが女性を自分の部屋に連れ込んでいるのでは…?そして同じ建物の中で響いたら少し篭って聞こえてそれが年配女性の声のように聞こえているのではないか…?


Aさんが、Bさんの家に着くと、Bさんは憔悴しきった様子で布団で寝ていました。
Aさんは、先程の考えをBさんに伝えましたが、Bさんは虚ろな目をして力無く返事をするだけでした。

Aさんは取り合えず、本棚に入りきらない本は荷造りして一カ所にまとめて置く事にしました。
そしてAさんが、本を片付ける作業をしていると…。。。



バサッ………!


Aさんの頭に一冊の文庫本が落ちてきて当たりました。

「痛っ!」と思い落ちてきた本を手に取ると、見覚えがある本です。
それは、前回Aさんが、Bさんの家に来た時にもAさんの頭に落ちてきた古いミステリー小説の文庫本でした。
Aさんは、「またこれか…」と思いつつ他の本と一緒に荷造りして部屋の隅に置きました。

そして暫くしてAさんが本を荷造りしているとまた…



バサッ……………!



また本がAさんの頭に落ちてきました。

落ちてきた本は…

さっき片付けたはずあの古いミステリー小説の文庫本でした。
Aさんは「あれ?」と思い、さっきその古いミステリー小説を荷造りした束を確かめようとしました。その時……!

ドサドサドサドサ…!

まだ片付けていない積み上げてある本が崩れてきました。Aさんは、めんどくさそうに崩れた本の山に近づき、本を直そうとしました。
そして本を何冊か退けた時…………!


積み上げられた本の隙間からAさんを睨む目が見えました。


Aさんは、驚いて後ろに飛びのきました。

Aさんのその様子を見て驚いたBさんはAさんに「大丈夫か?」と声をかけました。AさんはBさんに、大丈夫と答えると、再び本を片付けようと本の山に向かいました。

その時………。Aさんは、自分が右手に持っている本が気になりました。
さっきAさんの頭に落ちてきたミステリー小説でした。
Aさんは、中が気になったのでパラパラっとページをめくってみました。
前にも見た通り、古くて印刷がかすれてとても読みづらい字体でした。

そのままページをめくり、最後まで行って、それを見た瞬間…Aさんに悪寒が走りました。

そしてAさんは、Bさんに「このミステリーの文庫本買ったのっていつ頃?」とたずねました。すると帰ってきた答えは……………………


Aさんの思った通りでした。Bさんに女性の咳の音が聞こえ始めた頃でした。

Aさんは、Bさんに許可を得てそのミステリーの文庫本を古本屋に引き取って貰い処分しました。

すると、Bさんの具合も良くなっていきました。
Aさんは、Bさんに「これから本を買う時は中もちゃんと確認した方がいい」ときつく忠告しました。


Aさんが、あの古いミステリーの文庫本を開いて見たものは…。


ページの所々に茶色い染みがありました。細かく飛び散ったものや指紋の形のものもありました。


見ているうちにそれは血の染みだとわかりました。そして…



最後の後ろの表紙の内側に…






ものすごく達筆な字で女性の名前が書いてありました。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 13:07Comments(2)怪談

2009年10月15日

怪談(中古家電)9。

A子さんは、就職のために故郷を離れて一人暮らしをすることになりました。
無事に部屋も決まり、A子さんは家具や家電を揃える事にしました。
そしていろいろと見てまわった結果、新品を買うのではなく、リサイクルショップを利用することにしました。
最初は中古家電に抵抗があったA子さんですが、汚れが目立ったり壊れていたりすることもなく、少し型が古かったりするだけで新品より安価で修理保証も付いているということなので、揃えられる物は中古で購入する事にしました。
洗濯機、電子レンジ、ガス焜炉、テレビ、オーディオ機器…、そして家電製品だけでなく箪笥や本棚といった家具まで買い揃えました。最初の予定より予算をずいぶんと浮かす事が出来ました。
その中でも一番の掘り出し物は冷蔵庫でした。というのもA子さんは料理をするのが好きで、実家にいた時も両親に晩御飯を作ったりしていました。
が、当初新品で購入するつもりだった一人用の小さな冷蔵庫では、いろいろと不便になり料理のレパートリーも限られてくるなぁ…とA子さんは思っていました。
ですが、その掘り出し物の冷蔵庫は冷凍室や野菜室もちゃんと独立してあるファミリータイプのものでした。特価品でかなり安く買えました。少し型が古く冷蔵室の内側の壁に少し傷があるという説明が店員さんからありましたが、見た目は十分キレイでした。
A子さんは、これで実家にいた時と同じように料理が作れる、と喜びました。

引っ越しが落ち着いた頃、就職や進学でA子さんと同じように出て来て近くに住んでいる同郷の友人二人のB子さんとC子さんと一緒にA子さんの家で゛鍋パーティー゛をすることになりました。
A子さんの家に来たB子さんとC子さんは、A子さんの部屋の家電や家具を見て、全部中古品なんて信じられない!、と驚いていました。二人は中古品がこんなにきれいなら、自分たちも中古を買えばよかった、とA子さんに言いました。

A子さんが鍋を仕掛け、三人で囲んで待っていると、C子さんが「鍋ができる前に乾杯だけ先にやらない?」と言いました。
A子さんは笑いながら了承して冷蔵庫から缶ビールを持ってきました。


「乾杯!」


…ビールを一口飲んだ瞬間、三人の顔が曇りました。

ビールがぬるいのです。
A子さんは二人に詫びました。
「ごめんね、あの冷蔵庫、時々冷えてないことがあるの…。特価品だったからかもしれないけど…」

冷蔵庫は時々冷えてない事がありました。A子さんは特価で購入したこともあり、仕方ないと思ってその時は使っていました。

B子さんとC子さんは「やっぱり中古はダメねえ…」と笑いながら冗談っぽく言いました。


…んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!


冷蔵庫からモーター音が鳴り出しました。
少し驚いてC子さんは言いました「ちょっと音大き過ぎない?」

「特価品だから…」とA子さんは苦笑しながら答えました。

そんなことをしてる間に鍋が出来上がりました。
そして鍋に手をつけた三人が同時に表情を歪めました。C子さんが言いました。
「この肉…古くて傷んでない?」

確かに肉はボロボロと崩れ落ちるくらいパサパサし、味もまずいです。そのせいでダシやまわりの野菜まで味が悪くなってました。しかし…。
しかしA子さんは納得がいかずに言いました。
「でもこのお肉、今日三人で一緒に肉屋さんに行って一番高くて良い肉を選んで買ってきた肉じゃない。…帰ってきてすぐに冷蔵庫にも入れたし、腐る間なんて…」

二人の会話を聞いていたB子さんが、頭を抱えて俯きました。顔色も悪く、苦しそうにしています。
心配したA子さんが、
「大丈夫?お肉食べて気分悪くなった?」
するとB子さんは、
「ううん…頭が痛いの…」
A子さん、
「頭痛?風邪かな?…」

その時…


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!


冷蔵庫の音が再び大きく鳴り出しました。それを聞いたB子さんは耳を押さえて苦しそうに言いました。
「A子、ごめん…あの冷蔵庫の音聞いてたら、何だか頭が割れそうに痛い…」


苦しそうにしているB子さんをC子さんが連れて帰り、その日は解散になりました。


それから暫くA子さんは、その冷蔵庫を使っていましたが、不具合はどんどん酷くなっていきました。
冷蔵庫の中の物は冷えなくなり傷む頻度が高くなり、モーターの騒音も大きくなっていきました。


そのためA子さんは、冷蔵庫を購入したリサイクルショップに連絡して保証で修理を依頼することにしました。しかし…。

リサイクルショップの返事は、A子さんの買った冷蔵庫は、゛特価品゛なので修理保証はない、というものでした。どうしても修理したいなら、メーカーに頼んで自費で修理してもらうしかないようで、そうすると凄く高額になるということでした。
それなら返品したい、とA子さんが言うと店側は、購入代金の返却はできない上に引き取り手数料まで発生すると説明しました。こうなるとA子さんは大損です。で、店側に抗議しましたが…

それらの事は購入前にすべて説明した、との返事でした。

そういえば…


A子さんは、冷蔵庫の値段ばかりに目が行き、それらの説明をいい加減に聞いていたことを思い出しました。



結局その日は結論が出ず、冷蔵庫はまだしばらく様子を見る事になりました。



そしてA子さんは、そのまま何とか冷蔵庫を使っていましたが…。


不具合はさらに酷くなり、気温が暖かくなってきたせいか冷蔵庫の中は冷えないどころか生ものはすぐ腐ってしまいました。
それとモーターの騒音も更に不快になり、A子さんも鍋パーティーの時のB子さんのように音のせいで頭痛がするようになってきました。こうなっては冷蔵庫としての機能を果たせてない以上の問題でした。


そのため、A子さんは冷蔵庫のコンセントを抜き、使用しない事にしました。こうなればもういっそうの事処分してしまえば良いと思うのですが…。
A子さんは、この時はまだなるべく損をせずに冷蔵庫を手離す方法はないか、と考えていたのでした。

しかし…。


ある夜、大損をしようが、手数料がかかろうが冷蔵庫を手離さざるを得なくなる出来事がA子さんに起きました。それは…。





ある夜、寝ていたA子さんは寝苦しさに目を覚ましました。寝起きでぼーっとしていたA子さんでしたが、起きた瞬間に違和感を感じました。その違和感とは…。


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!



あの冷蔵庫のモーター音でした…。


冷蔵庫はコンセントを抜いてて動かないはずなのにどうして…!?

A子さんは、冷蔵庫を確かめに台所に行きました。


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんー…!

冷蔵庫からは、今までで一番大きく不快な音がしていました。A子さんは顔をしかめました。
しかし、音の原因を確かめなくてはいけないのでA子さんは、冷蔵庫のドアを開けました。すると…


そこには…!






小学校低学年くらいの男の子がいました。そして…

「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんー!」
と唸りながらA子さんの方を睨んでました。


A子さんは、悲鳴をあげ冷蔵庫のドアを閉めて飛びのきました。



……………………………………………………?

しばらくすると゛音゛は止んでました。


A子さんは、もう一度冷蔵庫のドアを開けました。

…男の子はいませんでした。

A子さんは、冷蔵庫の中を改めて見てみました。内壁にたくさんの小さな傷がありました。リサイクルショップで説明を受けたことを思い出しました。


傷を見て何かに気付いたA子さんは、紙と鉛筆を持ってきました。

傷の上に紙を当てて鉛筆で擦ると紙に文字が浮き出てきました。単なる傷だと思っていたものは意味を成した言葉だったのでした。


こんな言葉が綴られていました。

「たすけて」「ごめんなさい」「ゆるして」「だして」「もうわがままはいいません」「ちゃんということをききます」




















「おかあさん」
(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 10:37Comments(6)怪談

2009年10月09日

怪談(心霊ビデオ)8。

インターネットである心霊ビデオがアップされてました。
内容はこういう感じです。
まず公園で、ニ〜三才くらいの男の子が遊んでるのを両親がビデオ撮影しているシーンから始まります。子供が走り出し、それをカメラが追い掛けた時、子供のバックに公園周りの風景も映りました。その風景の中に六階建てくらいの古びたビルがありました。そしてそのビルの屋上から人らしき影が落ちました。ビデオカメラをまわしていたお父さんは、驚いて慌てた様子ですが、お母さんも子供もわからないみたいでした。ビデオはそこで終わります。

高校生のAさんは、そのビデオを観て気付きました。ビデオに映ってる公園はAさんの住んでる場所の近くだと。電車で行けば三十分くらいの場所でした。
Aさんは友人のBさんを連れてそのビルに肝試しに行く事にしました。
肝試しと言ってもAさん達は夜に撮影出来るビデオやカメラを持っていなかったので、使い捨てカメラでも撮影可能な昼間に行く事にしました。
Aさん達のとりあえずの目的は心霊写真の撮影でした。ビデオにも映ったのだから、上手くいけば心霊写真も撮れるかも、と考えたのでした。


後日、計画を決行してAさん達は公園に行きました。そしてビデオの撮影場所を探して歩き回っているうちに、件のビルも見つける事が出来ました。

ビルは元はテナントビルのようでした。でも空室が目立ち、前に入っていた進学塾や英会話教室の看板が放ったらかしにされていました。
そしてビルは建物自体は古いのですが、それには不釣り合いな感じで入口にはオートロックの設備が取り付けられていました。これでは鍵がかかってて中には入れません。
Aさん達はビルの中にも入ってみたかったのですが、あきらめる事にしました。そして二人で別々にビルの外観を使い捨てカメラで撮影する事にしました。

AさんとBさんは、最初は一緒にビルの周りで写真を撮っていたのですが、お互いに撮りたい場所を撮っているうちにバラバラに行動してました。

Aさんが一人で写真を撮っていると大学生風のお兄さんが声をかけてきました。
「何撮ってるの?君もネット見て来た?」
お兄さんは、カメラを首から下げていました。風貌から同じように心霊写真を撮りに来てる人だとわかりました。
お兄さんはAさんに「外からばかりじゃつまらないだろう?」と言ってAさんをビルの入口まで連れて行きました。
Aさんは、「入口はオートロックになってて入れない」と言うと、お兄さんは「大丈夫。」と言って数字を打ち込んでロックを解除しました。
驚いているAさんを見てお兄さんは「秘密ルートで仕入れた」と言って笑ってました。

入口に入ってすぐにあるエレベーターの前でお兄さんは、自分は心霊マニアでいろんな心霊スポットを回っていると話してくれました。
そしてこのビルに関しては屋上が一番写真やビデオに霊が撮れやすいと教えてくれました。Aさんはお兄さんと一緒に屋上に行く事にしました。

屋上には使われなくなった看板や給水の機械などがありました。そして屋上の端はすべて不自然に高いフェンスで囲まれていました。

Aさんが屋上で写真を撮っていると、お兄さんが言いました。

「そんなとこで撮っててもダメだよ!」

Aさんが振り向くとお兄さんは言いました。


「このビルは飛び降り自殺した人の霊がとりついるんだ。だから屋上の端(ビルの正面側の)に行って自分の横を写真で撮ると成仏できずに飛び降り自殺を繰り返している霊が写るよ!」

お兄さんに言われ、Aさんは屋上の端に行きました。するとお兄さんがまた言いました。

「そこじゃダメだ!フェンスを越えないと端っこじゃないよ」

Aさんはここまできたら何とか心霊写真を撮って帰りたかったので、フェンスに登り始めました。
Aさんは、フェンスを越えると確かに危険ですが、外側からしっかりとフェンスにしがみつき、足を滑らせないように注意しながら写真を撮ろうと思いました。

そしてフェンスを登りきったAさんの右足がフェンス頂上を越えました。Aさんはその時、右足を何かに引っ張られたように感じ、バランスを崩しました。そして…。。。


「こらぁー!早く降りて来い!」

男の人の声がしました。


Aさんは声のした方を見ると、屋上の入口のドアの所に知らないおじさんとBさんがいました。おじさんは、自分はこのビルの管理人だ、と言いました。

Aさんは、ヤバイと思い、お兄さんの方を見ましたが、お兄さんは既にいませんでした。上手く逃げたんだ…とAさんは思いました。

Aさんは、管理人が怒っているのでフェンスから降りようとしました。その時…!





………………  

Posted by ひふみ 慶 at 14:26Comments(4)怪談

2009年10月01日

怪談(秘密基地)7。

Aさんが、小学生の時の話。
Aさんの通っていた小学校には裏に山があり、そこには戦時中に作られた防空壕が残っていました。
Aさんは親友のBさんら数人と一緒に防空壕にガラクタや漫画本を持ち込んで秘密基地にして遊んでいました。
ところがある日のホームルームの時間に担任の先生が、「裏山の防空壕で遊んでいる生徒がいると報告があった。防空壕は古くて崩れる危険性があるので遊んではいけない。特に暗くなってからは絶対に行くな!」と言いました。
それから防空壕にはみんな行かなくなりましたが、AさんとBさんだけは、秘密基地を作った初期メンバーで愛着があったため、こっそりと防空壕に通い続けてました。ただ、二人とも先生の言うように暗くなってからは足元が危険なので明るい内には帰るようにしていました。
そしてそんなある日、AさんとBさんは学校が終わってからまた防空壕で遊ぶ約束をしていました。その日はBさんが掃除当番で遅くなるので、Aさんだけが先に防空壕に行き、Bさんは後で遅れて来る事になってました。
Aさんは学校が終わると予定通りにBさんより先に防空壕に行きました。そしてBさんが来るまで漫画本を読みながら待つことにしました。ところが…。
Bさんは約束の時間になっても全然現れません。Aさんはそのうち来ると思ってじっと待ってましたがBさんが来る気配はありません。季節は冬になろうとしていたので、辺りは薄暗くなりそして肌寒くなってきました。Aさんは帰ろうか、と思いましたがBさんと入れ違いになっても困るので悩んでいると…。
Aさんは、防空壕の隅に見慣れない布のようなものがあるのに気付きました。その白い布には無数の赤い糸が縫い込んであり、布の端には「七生報国」と赤い糸で刺繍されてました。Aさんが、その布を手に取っていると…。
「それは戦争で死んだ息子の形見なんじゃ」

いつの間にか防空壕の中に知らないおばあさんがいてAさんに言いました。
Aさんは、このおばあさんが防空壕で遊んでいる生徒がいると学校に連絡した人だと思い、謝ろうとしました。
すると、おばあさんは「ここは古いから気をつけて遊ぶんだよ」と優しく言いました。


おばあさんは、その赤い糸が縫い込んである布は千人針と言って戦争に行った人がお守りとして身につけていた事、おばあさんの息子は戦争で亡くなり、形見として千人針だけが戻って来たことを、Aさんに話しました。

おばあさんはAさんを見て言いました。
「坊やは、息子の小さい頃にそっくりじゃ。まるで息子が帰って来たみたいじゃ。その千人針は坊やにあげるからお守りにしなさい。」

Aさんは、おばあさんが優しい人で、また防空壕で遊んでも怒られる事はなさそうなのでホッとしていました。


気が付くと外はすっかり夜になってました。Aさんはおばあさんに、もう帰らないといけない、と言うとおばあさんは…。

「もう暗くて危ないから、山を降りた所まで送ってあげる」と言ってくれました。

Aさんはおばあさんについて防空壕を出ました。
そして、おばあさんがAさんに「さあ、行こうか。おいで…」と言ってAさんの手を取ろうとしたその時…。


「おいA!!!」
担任の先生の呼ぶ声がしました。Aさんが声のした方を見ると、少し離れた場所に先生とBさんがいました。
「おいA!早くこっちに来い!」先生は怒っているように見えました。Aさんは、おばあさんにいろいろと話して貰えば先生に怒られなくてすむかもしれないと思い、おばあさんの方に向き直りました。が…。

おばあさんはいつの間にかいなくなってました。

Aさんは、先生に半ば強引に手を引かれて山を下りました。その隣をBさんが青白い顔をして俯いて歩いてました。それを見てAさんは…。
(Bのヤツ、防空壕で遊んでるのがバレてめちゃめちゃ怒られたんだろうな…俺もこれから怒られるんだろうな…)と思っていました。


山の麓に着くと先生の車が停まっていました。Aさんは(学校まで歩いて行ける距離なのに何で車に乗るんだろう?)と不思議に思いました。

車にはAさんが後部座席、Bさんが助手席に座りました。車はやはり学校とは違う方向に進んいます。
Aさんは先生に「どこに向かってるんですか?」と聞いてみました。が、先生は黙って運転して答えてくれません。Aさんは、先生怒ってるんだ…と思いました。先生がルームミラー越しに後部座席の方を怖い顔でチラチラと見ているのがわかりました。
Aさんは今度はBさんに話しかけてみました。Bさんは一瞬後ろを向きましたが、すぐに怯えた顔になり前を向きました。AさんはBさんの態度を見て防空壕の事を告げ口したみたいになってる事が気まずいのかな…と思いました。
Aさんは、先生の車が乗り心地が悪いせいか気分が悪くなってきました。椅子の形状のせいか真ん中の方に重心が引っ張られるのです。

そうしているうちに車は目的地に着き、停車しました。


そこはお寺でした。



先生は先に車を降りて、そのお寺の住職さんと何か話しをしています。

しばらくして、AさんとBさんも車を降りるように言われました。

住職はAさんに言いました。「ポケットの中のモノを出しなさい」
Aさんのポケットの中には、さっきおばあさんから貰った゛千人針゛が入っています。Aさんはポケットから千人針を取り出しました。すると…

綺麗な布だった千人針がいつの間にかボロボロの汚い雑巾のような布に変わっていました。

住職はAさんから千人針を受け取ると、Aさんの後ろに回り、Aさんの背中を平手で思いっきり叩きました。Aさんは強烈なショックで一瞬息が止まりました。
そして住職はそのまま誰もいない方に向かってお経を唱え始めました。

そこに住職の奥さんが来て、AさんとBさんにお寺に入るように言いました。背後ではずっと住職がお経を唱えてました。

AさんとBさんが通された部屋は特別な部屋でも何でもなく普通にこたつやテレビのある部屋でした。奥さんは二人にお菓子やお茶も用意してくれました。そして奥さんは住職の手伝いのためか部屋を出て行きました。

しばらくして怯えていたBさんが落ち着いてきて、Aさんに話し出しました。防空壕に行く途中に先生に見つかって怒られてた事、Aさんの事も喋ってしまった事、その後、先生がAさんの家にAさんが帰ってるか確認の電話をしたところ、まだ帰ってなかったので、先生と二人でAさんを防空壕まで向かえに行った事…。

Aさんは聞きました。「そこまでは何となくわかるけど、何でお寺に来たんだろ?」

Bさんは答えました。「先生はたぶん最初からお寺に来る必要あると知ってたと思う。わざわざ車でお前を向かえに行ったし…。車の運転中もルームミラーで後部座席の方見てたし……夜に防空壕に行っちゃいけないってのは、暗い山道が危ないってだけじゃなかったんだ…。」

A「何?さっぱりわかんないけど、どういう意味?」

B「俺も見たんだよ、車ん中で後部座席のお前の方を振り返った時…」

A「見たって何を?」


B「後部座席でお前を抱き寄せながら、運転席の先生の方を物凄く怖い顔で睨んでるおばあさん。」(糸冬)
  

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2009年09月23日

怪談(線路沿いのアパート)6。

これも有名な話で似たパターンがいろいろあるみたいです。


Aさんは若い頃、仲間とバンドを組んでミュージシャンを目指していました。そしてその夢を叶えるために実家を出て一人暮らしを始めました。
でも正直お金のなかったAさんは、なるべく家賃の安い部屋を選びました。そして見つけたのが線路沿いにある二階建てのアパートでした。電車の騒音と建物の古さのため、家賃は格安という事でした。
そのアパートは、一階と二階に三部屋ずつありました。Aさんの部屋は一階の真ん中でした。左隣にお婆さんが住んでいて、右隣りは空室でした。二階は右上が家主さんの経営する会社の倉庫に使われてて、他の二部屋は空室でした。そして左隣のお婆さんも介護のためにほとんど病院に入院しているそうでした。不動産屋さんや家主さんからも、「お婆さんが帰ってくるか新しい住人が入ってくるまでは、大きい音で音楽をかけても楽器の練習をしても構わない」と言われました。電車の騒音は気になりましたが、その他は音楽をする人間からすれば最高の環境だとAさんは思いました。
と言ってもほとんど部屋にはバイトとバンド活動の合間に寝に帰るようなパターンでした。


しばらくして。
ある日、Aさんが貸しスタジオでバンド仲間と練習している時でした。Aさんは気分が悪くなり倒れました。すると心配した仲間が介抱してくれました。
Aさんは、「一人暮らしを始めて慣れてないから疲労が溜まってるかも。ちょっと頭痛も続いてるし」と話しました。
それを聞いていた仲間のBさんが「お前、あのアパート気持ち悪くないか?ちゃんと休めてるか?」と言いました。
Aさんは「何で?」と聞き返しました。
Bさんは、宅配のバイトをしていてAさんのアパートの近くの踏切で人身事故を目撃してました。バイト先の先輩に聞いたところ、その踏切は年に一度くらいの間隔で事故のある所謂、自殺の名所になっているという事でした。
近所にそんな気持ちの悪い場所がある事にAさんは驚きましたが、自分の住むアパートには直接関係ないし…とBさんに言い、自分でもそう思う事にしました。

しかし、その夜Aさんは嫌な話を聞いたせいか部屋に帰っても落ち着かず、頭痛も酷くなって寝付けませんでした。
そして変な事に気づきました。普段から電車の騒音に負けないようにテレビや音楽の音量は大きく設定しているために解りにくかったのですが、今日は頭痛がするのでテレビも音楽も消し、耳栓をして寝ていました。
すると妙な音が聞こえてくるのです。ゴトゴトゴトゴト…。何か板の間に大きな石を転がしているような音でした。普段は騒音や音楽に消されて聞こえなかった音がその日は聞こえてきたのです。
妙に気になる音で、その音に合わせて頭痛もするのです。
Aさんは耳栓を外して音の出所を調べる事にしました。…が、耳栓を外したとたん…


ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン…!
音は急に大きく鳴り響きました。頭痛だけでなく吐き気も襲ってきました。
隣のお婆さんが帰ってきてるのか…?
いや…音は逆の右側の空室から聞こえてきます。時間を見ると午前一時を回っています。どうやら電車の関係ではないようです。
Aさんは思いました。隣の空室に忍び込んでいたずらしているヤツがいるのでは…?。
Aさんとバンド仲間は学生時代は元々は不良仲間でした。当時から喧嘩っ早かったAさん。社会人になっても気性は変わってません。この頭痛の原因になってる音にイライラし、隣の部屋に確かめに行く事にしました。
懐中電灯と護身用の木刀を持ってベランダ伝いに隣の部屋に行きました。すると…
ベランダの隅に蓋のない古い二層式の洗濯機があり、それがガタンゴトンガタンゴトン…と例の大きな音をたてて回っています。
「これか…!」と思ったAさんは部屋に通じるサッシを開け中に入って行きました。
鍵は掛かっていませんでした。後で考えるとこれも変な話でしたが…。
Aさんは怒鳴りながら、部屋中を見て回りましたが誰もいませんでした。その時、部屋の壁を懐中電灯照らしてみると、お札のようなものが張ってありました。
気味が悪くなったAさんは、とにかく洗濯機だけでも止めて帰ろうとコンセントを探しました。が、洗濯機のコードは先が錆びてちぎれていました。
訳がわからなくなったAさんが洗濯機の中を覗くと洗濯層には…






ガタンゴトンガタンゴトンガタンゴトン……

音をたてながら…




血溜まりの中を女の生首が回っていました

Aさんはそのまま少し離れたとこに住んでいる友達の家まで走って逃げました。





Aさんが後日、不動産屋に聞いた話では、例の踏切で自殺した女性がいて、その時ちぎれ飛んだ首が、使用中の洗濯機(あの洗濯機かどうかはわかりませんが。)に入ってしまった出来事があったそうです。。。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 21:47Comments(2)怪談

2009年09月16日

怪談(一本松)5。

僕のblogによくコメントを頂く、みつまめさん(甘えん坊猫のおーじろー君の写真が可愛い!)の以前のコメントで「首吊りの木」という首吊り自殺のよく起こる木の話がありました。
それでまた思い出した話です。
Aさんの通っていた小学校は田舎の方の山に囲まれた場所にありました。
その日は校庭で工事か何かをしていて遊べなかったので生徒たちは教室で遊んでいました。
AさんもクラスメートのB君と一緒にテレビゲームの攻略本か何かを見ていました。
その時、何かに気付いたB君が騒ぎだしました。
窓の外を指差しています。B君は言いました。


「一本松のとこで誰かが首吊り自殺をしてる!」
教室の窓から見える山には、一際目立つ一本松の木がありました。B君はそこで誰かが首吊り自殺をしている、と言っていました。
が、Aさんを含めた他のクラスメートは一本松は見えても首吊り自殺している人は見えませんでした。
B君は視力検査の時、クラスで一人だけ視力が2.0でした。もしかしたら、B君は目が良いから見えるのかも…と思ったクラスのみんなは先生を呼びに行きました。
騒ぎを聞いた先生は、双眼鏡を借りてきて一本松の方を見ましたが、自殺者の姿は確認出来ませんでした。
B君は、それでも自殺している人はいるし、その人が自分を睨んでいる視線を感じるとまで言っていました。
B君はその後、気分が悪くなりその日は早退しました。
そして次の日もその次の日もB君は学校に来ませんでした。
どこか身体を壊したらしい、と先生は言ってました。そのまま長期欠席を続けていたB君ですが、それから学校に来ることはありませんでした。風邪を拗らせて身体に悪い菌が入り、高熱が下がらずにそのまま亡くなってしまったのでした。
クラスのみんなはB君の死を一本松の呪いだ、と騒ぎ立てました。B君と仲のよかったAさんはそれをとても不愉快に感じました。B君の事で一番ふざけていたクラスメートと殴り合いの喧嘩にもなりました。


その後、しばらくして。。。Aさんの夢にB君が出てきました。場所は教室。休み時間に二人で喋っていました。AさんはB君が戻ってきたようでとても嬉しく思っていました。…が。
B君の表情は真剣でした。B君は言いました。
「本当は言っちゃいけないけど、教えとくからよく聞いて。」
Aさんは何?と聞き返しました。B君は言いました。
「一本松で首吊りしてるのが見えても他の人には言っちゃいけないよ。」


「言うと次、お前の番になるから…」
そこで夢は醒めました。





数日後、Aさんは授業中の教室で視線を感じました。窓の方からです。
窓からは一本松が見えます。そして…
一本松で首吊り自殺している姿も見えました。その姿を見てAさんは息を飲みました。
そしてそのまま叫びそうになるのを夢に出て来たB君が言ってた事を思い出して止まりました。
夢でのB君の忠告がなければAさんはこう叫んでいました。




「一本松でB君が首を吊っている!」…と(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 22:56Comments(4)怪談

2009年09月10日

怪談(合宿先にて)4。

これもまた小学生くらいの時に初めて聞いて凄く怖かった話です。
この話は割と有名な話で、少しずつパターンを変えた話が何種類かあるみたいです。
ある中学校の部活が夏休みに合宿をする事になりました
参加人数は男女部員と男の顧問の先生も含めて十人程度だったので、宿泊先は小さな古びた民宿でした。
民宿に到着して部屋割をしていると、一人の女生徒が自分に割り当てられた部屋に泊まるのを嫌がりだしました。
その女生徒はいわゆる霊感のある子で、この部屋は嫌な感じがする、と言いました。誰かが変わるとしても、そんな事を言われた後ではみんな気味悪がり、誰も部屋を変わろうとはしませんでした。
そうして困っていると、そこに顧問の先生がやってきました。事情を話すと先生は少し呆れた感じで部屋を変わってくれました。先生は幽霊など信じてないようで全然平気でした。
次の日、部活の休憩時間に生徒たちは昨晩何もなかったか聞いてみました。
すると先生は、お化けが出ると思って少し遅くまで起きてたが何もなかった。その後はぐっすり眠れたぞ、と言って笑ってました。
次の日もその次の日も先生の様子は変わりませんでした。そんな事もあり生徒たちも部屋の事は気にしなくなりました。
そして合宿最終日。最終日の晩は先生がお菓子とかを用意してくれてみんなで集まって小さな打ち上げをする事になりました。
打ち上げは先生の部屋で行われました。もう誰も部屋の事は気にしてませんでしたし、霊感のある女生徒もみんなと一緒のせいか平気なようでした。
その打ち上げの中で最初はみんなでトランプ等のゲームをして楽しもうという事になっていたのですが…。
先生が、怪談会をやろう、と言い出しました。この部屋はお化けが出ると言ってたし、そんなとこで怖い話したら面白いじゃないか!、と先生は言うのです。霊感のある女生徒ら反対する者もいましたが、多数決で怪談会はやることになりました。
生徒たちの話す怪談はグダグダでしたが、大学の時に落研にいた先生の話す古典怪談は見事な出来でみんな引き込まれていました。
そして夜もふけてきた頃。先生が、この話で最後だ、と言いました。先生の話に夢中になっていたみんなは残念なような安心したような複雑な気持ちになりました。
先生は、「最後は昔話じゃなくて現代の話をする」と下を向きながら今までより低い声で話し始めました。
「話の舞台はちょうど先生やみんなのいるこの民宿…。」
「そして、そのある部屋で部活の合宿にきた先生と生徒たちが怪談を話していた…。」

生徒たちは先生が自分たちの事を話してふざけているのかと思い少しざめききました。
先生は続けます。

「先生が最後の怪談を話し始めた頃、外は土砂降りの雨が降り出した。」

外は雨など降っておらず生徒たちは、やっぱり自分たちの事を話しているんじゃないんだ、と思いました。が、…。
次の瞬間、外は雨が降り出しすぐに土砂降りになりました。生徒たちは驚きましたが、偶然だろうと思ってました。
先生は続けます。

「土砂降りの雨音に混じり、かすかに赤ちゃんの泣き声が聞こえた。そしてその赤ちゃんの泣き声はだんだん大きくはっきり聞こえるようになってきた…」

先生が言うと、本当に赤ちゃんの泣き声が聞こえてきました。生徒たちは気味が悪くなりました。
先生は続けます。

「赤ちゃんの泣き声と一緒にビシャ、ビシャという足音も聞こえ始めた。それらは同時に近付いてくる。」
「どうやら土砂降りの中、赤ん坊を背中におぶった何者かが、この部屋に向かって来ているようだ。」

土砂降りの中、本当に赤ちゃんと足音は近付いてきます。生徒たちは怯え始め、女生徒たちは先生に、もう話すのやめて、と懇願していました。…が、
先生は続けます。

「足音と赤ちゃんの泣き声は、この民宿にたどり着き、廊下を進んでこの部屋に向かってきた」

足音と泣き声はどんどん大きくなり、部屋に向かってきました。生徒たちはみんな怯えて泣いていました。
先生は続けます。

「いつの間にか足音と赤ちゃんの泣き声は止んでいた。…ふと廊下の方を見ると障子に人影が写っている。足音の主はついに部屋の前までやってきた。」

廊下と部屋を仕切る障子に人の形をした影が写っています。本当に廊下に誰か立っているようです。生徒たちは叫び声を上げました。
先生は続けます。







「そして先生は殺された!!!!」

先生がそう言うと障子が勢いよくピシャッと開きました。そこには髪を振り乱し、赤ん坊を背負った女が鬼のような形相で立っていました。
次の瞬間に女は、先生に飛びかかって馬乗りになり首を絞めはじめました。生徒たちはあまりのシ  

Posted by ひふみ 慶 at 14:15Comments(2)怪談

2009年09月02日

怪談(赤いドレスの女)3。

また怪談をひとつ。。。
僕が小学生くらいの頃、某オカルト雑誌の怪談投稿コーナーに載ってた話です。この話はビジュアル的な部分が印象的で僕の心に未だに残ってる話です。記憶を頼りに書きます。
大学生のAさんが、下宿先のアパートで深夜まで課題をやってました。明け方近くに作業を終えたAさんは、その日の講義が昼からだった事もあり、軽くビールを飲んでから寝る事にしました。
Aさんの部屋は二階で、窓を網戸にしていると涼しい風が入ってきます。窓からは、道路を挟んでアパートの前にある公園が見えました。
しかし窓際で一服しながらビールを飲んでいたAさんが、その日窓から見た風景はいつもとは少し違いました。明け方前という時間にもかかわらず、公園でフラメンコのような踊りをしている女性がいたのです。女性は赤いドレスを着て踊りながらリズムに乗り時折、顔の横でパンパンと手拍子を鳴らしていました。
その様子をAさんは窓からビールを飲みながらみていました。その時は人気のない場所で踊りを練習したいんだろうな…くらいに考えていたAさんでした。
Aさんは静寂の中踊り続ける女性に見入っていました。そしてステップの音と手拍子を心地良く感じてきたAさんは、酒に酔ってた事もあり、女性の踊りに合わせて手拍子を鳴らしました。すると女性は一瞬踊りを止めてAさんの方を見ました。
距離的に女性の顔ははっきりとは見えませんでしたが、何故か笑っているのがわかりました。
Aさんに気付いた女性はそれまでよりも激しくダンスを踊り始めました。Aさんも面白がって手拍子でそれにこたえます。そして…。
女性は踊りながらAさんの方に近付いて来ました。
女性はAさんのアパートのすぐ下まで来ました。そこでAさんは不自然な事に気付きました。近くまで来ている女性の顔が遠い距離の時と同じようにぼやけて判別出来ないのです。ただ笑っている事だけはわかります。
気味が悪くなったAさんは窓を閉めて寝る事にしました。窓を閉めてもまだダンスの音は聞こえてきます。そしてしばらくすると…。
コン、コン。。。
Aさんの部屋の戸をノックする音が聞こえます。何度も繰り返し…。
怖くなったAさんは「あの女の人は頭のおかしい人だったんだ…相手にするんじゃなかった…」と思いました。そしてAさんは頭から布団を被り、ノックの音を無視し続けました。そうしているうちにAさんは眠りに落ちました。
Aさんは救急車とパトカーのサイレンで目が醒めました。窓を開けて外を確認してみると、公園に警察と野次馬たちがいます。時刻はまだ午前七時過ぎ。Aさんが眠りに落ちてから少ししか時間が経っていません。が、気になったAさんは眠い目を擦りながら公園に行ってみる事にしました。
野次馬たちの話では公園に植えてある木で首吊り自殺があったという事でした。
Aさんは直感的に思いました。自殺したのは、あの赤いドレスの女性だと…。そしてもしもあの時自分が、部屋を尋ねてきた女性の話だけでも聞いてやっていれば…。自分はそれを無視してしまった。女性はそのせいで死んだのかもしれない。。。
責任を感じたAさんは警察に今朝見た事を話すことにしました。何かの罪に問われるかもしれませんが仕方ありません。
Aさんの話を聞いた警官は言いました。「君、酒臭いけど酔っ払ってるんじゃないか?」。
Aさんは、そこまで深酒はしていないと否定しました。すると警官は…
死体は死んでから5〜6時間は経過している事、そして自殺したのは女性ではなく初老の男性であると話しました。
Aさんは訳がわからなくなりました。その後、改めて警察に呼ばれ話をしましたが、Aさんの見た女性の話は信じて貰えませんでした。

あれから何年も経ちますが、Aさんは未だにわからないそうです。
あの赤いドレスの女性が何者だったのか?という事…。
そして何故あの女性は、首吊り自殺した男性の周りで狂ったように踊っていたのか…。
(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 23:36Comments(4)怪談

2009年08月22日

怪談(ボクシング部の合宿にて)2。

お盆も過ぎましたが、怪談をひとつ…(-_-)
某ボクシングジムにてアマチュア選手をしていたYさんに聞いた話です。
Yさんは大学時代にボクシング部に所属していました。二回生の頃に部で合宿に行った時の事です…。
合宿先は山奥の過疎で人が居なくなったらしい廃村のような場所でした。
その場所で以前に工事か作業が行われたのか飯場みたいな建物があり、そこが合宿所になりました。
トイレ、風呂、炊事場、食堂、2〜3人ずつ割り当てられた部屋と建物は申し分なく、近くには運動出来る広い場所もあり、合宿所としては恵まれた環境に思えました。
合宿が始まり、Yさんがみんなと練習していると視界の隅を何かが横切りました。子供でした。数人いました。田舎の小学生といった感じです。
Yさんは「少し離れた場所から小学生たちが遊びに来ているんだろう」とあまり気にしませんでした。
その夜、Yさんが部屋で寝ようとしていると外から子供の遊ぶ声が聞こえてきました。「おい、こんな遅くに子供が遊んでるで」と同室の後輩に声を掛けようとしましたが彼はすでに眠っていました。Yさんも気にせず眠る事にしました。
別の日、部員たちは食堂で昼食を済ませて後片付けをしている時でした。食堂の入口で一回生たちが先輩に怒られてます。どうやらみんなの靴をきちんと並べていなかったからのようでした。
Yさんは後輩に「ちゃんと片付けとかんと、また怒られるで」と声を掛けました。すると後輩は、「ちゃんと片付けたはずなんですが…」とどこか納得いかない様子でした。
それを見てYさんは思い当たる事がありました。合宿の近くで遊んだり、夜中にはしゃいでいる子供達の事です。子供達が靴にイタズラをしたのでは…?だとしたら放っておくわけにはいきません。Yさんは先輩に相談する事にしました。
しかし先輩の答えは意外なものでした。この付近には子供どころか民家も一軒も残ってない。この飯場後も俺らの合宿が終わるとすぐ取り壊す予定だという事でした。
Yさんは気味が悪くなりましたが、合宿の間は気にせず過ごす事にしました。
そして合宿も終盤を迎えた頃。その日の練習はとてもハードで、Yさんは練習が終わると同時に倒れてしまいました。
そしてそのまま自分の部屋で休み、夕食の時間に同室の後輩に迎えに来てもらう事になりました。
Yさんが寝ていると部屋の前の廊下を走り回るドタドタという足音と子供のはしゃぐ声が聞こえ、それに起こされました。
Yさんは疲れていたのでイライラしていました。「やっぱり子供はおるやんけ…」
Yさんの部屋は廊下の突き当たりのすぐ手前にあります。なので子供達はYさんの部屋の前まで走ってくるといったん立ち止まりUターンして走り出します。Yさんは子供達が自分の部屋の前に来た瞬間にドアを開けて捕まえてやろうと待ち構えました。
ドドド…『きゃははは!…』足音と声がだんだん近付いてきます。Yさんは「これは一人二人やない…たくさんおる…。どうやって入りこんだんやろ…?」とか考えてました。
そして、子供達がYさんの部屋の前にきた気配が感じられたので、Yさんはドアを開けました。「コラッお前ら!うるさい…」
ドアを開けると誰もいませんでした。Yさんの部屋の前には子供達が瞬時に隠れれるような場所などありません。他の部屋には鍵がかかっています。
少し気味が悪くなったYさんでしたが、寝ぼけていたんだろうと思うことにして部屋でまた休む事にしました。
そしてドアを閉め、部屋に戻ろうと振り返った瞬間…。。。
部屋の中に数人の子供達がいました…!
訳がわからず立ち尽くすYさんに向かって子供達が飛び掛かってきました!
…Yさんはそこで意識を無くしました。



Yさんは夕食の時間を告げにきた後輩に起こされました。後輩は「玄関なんかで寝てたら風邪ひきますよ」と言ってました。
Yさんは一瞬何の事かわからなかったんですが「そういえば子供達が…」と後輩に喋ろうかと思いましたが、不安にさせるのもかわいそうなので黙ってました。
夕食も食べ、皆と喋っているうちに「やっぱりさっきのことは夢だったんかな?」と思えるようになってきました。
ただ、Yさんは少し違和感がありました。身体中がヒリヒリと痛いのです。練習によるものとは違います。
気になったYさんは風呂場で自分の身体を見てみました…すると…。。。
Yさんの身体中には無数の引っ掻き傷があり、首の付け根と肩と腹には子供の大きさぐらいの歯型が付いていました。。。。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 18:42Comments(4)怪談

2009年08月11日

怪談(古い借家にて)。

以前に高知に行った時に聞いた怖い話があったのでアップします。
お盆ですし…〓
お世話になってる遠い親戚の方から聞いた話で、親戚の知人のAさんという女性の体験談です。
Aさんは、子供も大きくなってきて住んでる家が手狭になってきたので旦那さんと相談して建て直そうという話になりました。
家を工事している間に住む場所をAさん夫婦が探していると、Aさんの実家が「うちの近所にずっと使ってない家があるから、そこを掃除して住めばいい」と言ってくれました。
親戚の住んでる地域というのは凄い山奥で山が一つありその中に家が数軒、そして隣の山にまた数軒の家といった感じの場所です。そのためにこういった放置された家屋が数軒あります。
その家は古い家でしたが、広さも申し分なく掃除をすれば仮の住居としては十分でした。ただ…
ただ、Aさんはその家に初めて入った時、どことなく落ち着かない感じがしたそうです。
日当たりは良いはずなのに、家の中が薄暗い。窓もたくさんあって開けていても空気が澱むように感じる。季節は春なのに家の中は寒い。
どうせ仮の住居だ、と思いAさんは気のせいだと割り切ることにしました。
Aさんは、気にせず暮らしていましたが、主婦というのは一人で家にいる時間が長いです。そんな時、どこからか視線や気配を感じるようになってきました。不気味に思ったAさんは旦那さんに相談しますが、「気のせいだ」と取り合ってくれません。
ある日、Aさんの子供が一人で留守番をすることがありました。Aさんが家に帰ってくると留守番していた子供は泣きながら怯えてます。
「どうしたの?」と尋ねると、誰もいないはずの二階を誰かが歩き回るような音がずっとしていた、と子供は言いました。
泥棒か?とおもったAさんは二階を見に行きましたが、誰もいません。しかし…
閉めていたはずの襖や箪笥の引き出しが開いてます。気味が悪くなったAさんは、お祓いを頼みたいと旦那さんに相談しますが、取り合ってくれません。Aさんはしかたなく、お札を貰ってきて貼ることにしました。お札が効いたのか暫くは何もなかったのですが…。
ある夜、Aさんが寝ていると金縛りに合いました。寝室にはAさんの他に旦那さんや子供も寝ています。Aさんはふと部屋に貼ってあるお札に目が行きました。すると…
お札はゆっくりゆっくりと剥がれてきています。お札が剥がれて畳に落ちた時…
寝室と廊下を仕切っている障子に廊下を横切る影が映りました。必殺仕事人のような感じです。
その影は着物姿の髪を結ったお婆さんだとわかりました。お婆さんは廊下を何度も往復しているのが障子越しに見えます。助けを呼ぼうにも声が出ず、旦那さんも子供も熟睡しています。Aさんは必死で目を閉じて念仏を唱えつづけました。気が付くと朝でした。
Aさんは昨晩の事を旦那さんに話しましたが、やはり聞いてくれません。Aさんはもうこんな家には住めないという事で子供を連れて実家に行く事にしました。旦那さんは信じてませんでしたし、幽霊が出るからという理由で妻の実家の世話になる気もなかったので家に残りました。
それから数日後、旦那さんがAさんの所に血相を変えてやって来ました。
夜中に着物姿のお婆さんが現れて首を絞められたそうです。
そんな事があり旦那さんも引っ越しに同意してくれました。
移転先も決まり、Aさんが荷物を整理しながら家から運び出していると…
見覚えのない風呂敷包みが出て来ました。「何だろう?」と思って風呂敷を開けてみると…
中から硝子ケースに入った日本人形が出て来ました。
芸者さんらしく舞を踊っているような格好をしています。
この人形が怪異と関係あるかはわかりませんが、その人形を風呂敷に包み直して元あった場所に戻し、家を去りました。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 07:39Comments(6)怪談

2009年07月31日

あるアイドルの話。

突然ですが、これは誰の事か知りませんか?
こんな話を聞きました。実は二十年に一度、そして最近また聞きました。
その内容ですが、あるアイドルについての話です。
時代背景は、多分80年代前半くらい。
ある女性アイドル歌手がスタジオでレコーディングしてました。
別室でガラス窓越しにスタッフがそれを見てたのですが…。そのアイドル歌手を見るスタッフの顔が一人、また一人と強張りだしました。
アイドル歌手は構わず歌ってましたが…。
いきなりスタッフが音楽を止めてアイドル歌手に「ストップ!ちょっと機械の調子悪いから今日はもう終わろうか」と。
アイドル歌手は怪訝に思いながらもレコーディングの部屋から出る前に後片付けをしようとすると…。
「あっ!○○(アイドルの名前)ちゃん、いいからそのまま出て来て!」スタッフがアイドル歌手に声をかけました。
そしてすぐに男性スタッフ二人がアイドル歌手の両脇に付き、彼女を振り返らせないようにしてレコーディング室から出しました。
ここまでの話は、女性アイドル歌手の視点から語りました。
では彼女以外のスタッフ達はいったい何を見ていたのか…?



レコーディング室でアイドル歌手はヘッドホンをつけて、例の金魚すくいみたいなマイクに向かって歌っていました。そしてその後ろには防音の壁があります。スタッフ達はガラス越しにその様子を正面から見ていたわけです。
その時異変がおきました。後ろの壁で何かがモゾモゾと動いていたのです。二カ所。正面から見るとアイドル歌手の腰の両側辺り。
「虫か…?」。スタッフは思いましたが、そんなはずはありません。密閉されたスタジオに虫などいるわけないのです。
指でした。壁から出ているものは虫ではなくモゾモゾ動く人間の指でした。暫くは訳が解らずそのまま見ていたスタッフでしたが…。
やがて指はどんどん壁から出て来て…。。。
ワイシャツを着た腕まで見えてきました…。
そこで…「ストップ…」。。。
彼女を連れ出したスタッフが壁をちらっと見た時、壁からはほぼ両腕全部と頭の一部が出てきていたそうです……〓
さて、このアイドル歌手ですが、誰だか知っておられる方はいますでしょうか?
  

Posted by ひふみ 慶 at 09:57Comments(10)怪談