2009年10月31日

ミミちゃん(ペット似顔絵)。

ペットの似顔絵を始めました。
詳しくはトップページに記載します。


今回のモデルは知人のFさんの愛犬、シーズーのミミちゃんです。
ミミちゃんは数年前に天寿を全うしました。十六年の生涯を終えて今は天国にいます。

そんなミミちゃんですが、写真があまり残っていません。当時は、Fさんがデジカメや携帯カメラを持っていなかった事もあり、気軽に写真を撮る事がありませんでした。
スチールカメラで撮った写真も少しは残っていますが、今のデジカメのように簡単に撮り直しが出来なかったので、きれいなアングルの写真は残っていない、ということでした。

そこで猫の絵を描いている僕に、今残っている写真から、正面のアングルで復元できないか?と相談を受けました。

シーズー犬の絵はほぼ描いたことはなかったので、Fさんにミミちゃんのイメージを聞いてみることにしました。

すると、帰ってきた答えは…
人懐っこい、自分を人間と思う 甘えた 散歩好き 外好き 年寄り嫌い 可愛い 四? 肉好き 人間の料理好き 病気がち 怖がり 家に誰もいなくなるとずっと鳴いている 淋しがり屋…というようなイメージでした。

そこからイメージを膨らましながら描いてみることにしました。



それで出来たのが画像の作品です。

Fさんからは、目とおちょぼ口っぽい表情がそっくり、と嬉しい評価を戴きました。
喜んで戴けたみたいで僕も嬉しかったですf^_^;

  

Posted by ひふみ 慶 at 13:16Comments(7)犬、他

2009年10月30日

怪談(見つけた。)11。

Aさんが、小学四年生の時、初めて自分の一人部屋を貰いました。
Aさんの家は田舎の一軒家で、百年以上前に建てられた元の家を増改築してAさんの家系が、何世代かに渡って暮らしていました。


Aさんが使うことになったその二階にある部屋は元々は亡くなった祖父が使っていた部屋で、祖父が他界してからは誰も使わず物置部屋のようになっていた部屋でした。
Aさんの両親はAさんに部屋で一人で勉強をする習慣をつけて貰いたかったようでした。
Aさん自身は自分の自由になる遊び場が出来たことが嬉しく感じていました。

しかしそんな中、祖母だけはAさんが、祖父の部屋を使う事を何故か最後まで反対しいていました。

そして…机や本棚や新しく用意されたベッドも揃えられた自分の部屋でAさんは、初めて夜眠る事になりました。
Aさんは今まで両親と同じ部屋で寝ていたので一人部屋で寝るのは少し寂しい感じもありました。
が、しばらくすると眠気がきてAさんはまどろみ始めました。そしてそのまま眠りそうになったその時…


ガサガサ…ズルズル…ガサ………!

天井から音がします。
Aさんは「鼠かな…?」とAさんは思いました。しかし、それにしては音に重量感があり、何かを引きずる音も聞こえます。
その音はかなり長い間続きました。Aさんも音が気になってその晩は遅くまで眠れませんでした。


次の日Aさんは、お父さんに昨晩の天井の音の事を話しました。
すると、お父さんも「鼠の仕業だな」と言いました。そして仕事が終わってから天井裏を見てくれる事になりました。


その日の晩、お父さんはAさんの部屋に来て天井裏の様子を見ようとしました。
しかしAさんの部屋の天井板は外れる場所がなく、天井裏の様子を見ることは出来ませんでした。
そのためお父さんは、二階の天井板が外れる別の部屋から天井裏に鼠取りを仕掛けました。



そして…

その晩、Aさんが部屋で寝ていると…


ガサガサ…ズルズル…ガサガサ…ズルズル…!

例の音が聞こえます。
Aさんは「鼠が捕まるまでの辛抱だ」と気にせず無視する事にしました。

しかし…


ガタッガタッガタッガタッガタッガタッ…!

Aさんが寝ているベッドの上にある天井板が動き出しました。

「鼠!?…でも天井板は動かないはずなのに…!?」と、Aさんは思いました。


すると…


天井板が外れ…その隙間から…



白く細い指が出てきて、バタバタと動き出しました…!


「わあああああああああああああ!」

Aさんは驚愕と恐怖のため叫び声を上げました。
すると、その声を聞いた両親と祖母がAさんの部屋にやってきました。
Aさんは、指の事を話しました。が、いつの間にか天井は元に戻っていました。両親は、寝ぼけていたんだろう、と取り合ってくれませんでした。
けれども祖母だけは「怖かったら、おばあちゃんの部屋においで」と言ってくれました。
その日からしばらくの間、Aさんは祖母の部屋で寝ました。




数日後…

Aさんの気持ちもだいぶと落ち着いてきたので、祖母の部屋から自分の部屋に戻ることになりました。


そしてその晩…


Aさんが寝ていると…



ガサガサ…ズルズル…ガサガサ…ズルズル…!

天井から音が聞こえました。そして…



ガタッガタッガタッガタッガタッガタッガタッ…!

天井板が動き出しました。そして…


その隙間から白い指が出てきました。
Aさんは今回は恐ろしくて声も出ず、体も動きませんでした。そして更に指は天井から履い出てきて…

天井板を完全に退かし…そこから…




髪の長い白い顔の女が顔を出しました…!


女は、Aさんの事を物凄く怖い顔で睨みつけていました。そしてAさんにこう言いました…






「見つけた…」




女は天井板一枚の小さな隙間に無理矢理体を捩りこませるようにしてAさんの方へ向かってきました。
不思議な事に重力で下に垂れるはずの女の髪の毛は垂れずにそのままの状態でした。

Aさんは恐ろしくて声も出ず体も動かない状態でしたが、何とか反動をつけてベッドから無理矢理転がり落ちました。

そして叫べない代わりにわずかに動く手や足で必死に部屋の床を叩いたり蹴ったりしました。

すると、その音を聞き付けて両親と祖母がAさんの部屋にやってきました。

Aさんは両親と祖母に今あった事を話しました。が、また女も消えて天井も元に戻ってました。

Aさんは「この部屋は怖いからもう嫌だ!」と泣きながら両親と祖母に言いました。

すると、お父さんが「我が儘ばかり言うな!」とAさんをきつく叱りました。そしてAさんの話も、また寝ぼけているだけだ、と聞いてくれませんでした。

すると、お父さんと泣いているAさんの間に祖母が入ってくれました。

結局、Aさんはその晩だけまた祖母の部屋で寝ることになりました。



次の日の朝…

Aさんが起きるとすでに祖母は起きていて仏壇に向かってお経をあげていました。

祖母はAさんに「今日からは自分の部屋で寝れるようにしてあげるからね」と言いました。


祖母は、Aさんが小学校に行くより早く家を出て、どこかに出かけて行きました。



Aさんが、学校から戻るとAさんの部屋に一枚のお札が貼ってありました。
祖母が用立ててくれたものでした。

Aさんはその日の晩、再び自分の部屋で寝ましたが、その夜は物音も女の幽霊も出ませんでした。

そしてそれ以降、Aさんの部屋に女の幽霊が現れる事はありませんでした。


それから月日は流れ…
Aさんもいつしか幽霊の事も忘れていきました。

そしてAさんが中学生の時、祖母が他界しました。


更にそれから数年後…。



Aさんは大学進学のため、実家を離れて一人暮らしをする事になりました。部屋は大学の近くに手頃なマンションが見つかりました。

そんな一人暮らしを始めたAさんはある夜…

Aさんは寝床に入り、寝ようとしているところでした。
その時…

ドンドンドンドンドン…!

乱暴にドアを叩く音が聞こえました。Aさんはめんどくさそうに玄関に確認に行きました。

そしてドアを開けると、酒に酔った大学の友人三人が立っていました。
Aさんの部屋は、大学の近くにあるため呑んだり遊んだりして終電がなくなった友人たちがこうしてよく泊まりに来るのでした。

そんなことが続いてしばらくたった頃、Aさんはマンションの管理人さんに呼び出されました。
Aさんの友人が夜中にやってきてうるさいと他の住人から苦情が来ているという報告でした。非常階段を夜に上ったり下りたりする音もやかましいということでした。
こんなことが続くようなら退室してもらう、とAさんは管理人から釘を刺されました。

Aさんは友人たちに管理人に呼び出された事を話しました。すると友人たちは夜中にほぼ来なくなり、どうしてもという時も静かにやってくるようになりました。

ただ…

友人たちが夜中に迷惑をかけているのはAさんもわかっていましたが…。



非常階段を上がったり下りたり…。というのにはAさんも友人も心当たりがありませんでした。

そして。しばらく経ったある夜…


Aさんが、いつものように寝ようとしていると…


カンカンカンカンカンカンカンカンカンカン…!
非常階段を走る音がします。Aさんは「これか…」と思いました。そして心の中で友人たちに「いい加減にしろよ!」と悪態をつきながら窓から非常階段の方を見ました。が…。


非常階段には誰もいませんでした。そしていつの間にか音も止んでいました。


それでまたAさんが、寝ようとすると…





ドン!ドシン!ベタン!バタン!ドン!…


今度はAさんの部屋のドアから凄まじい音がしました。
これは、ドアを叩くというより体当たりでもしているような音です。


Aさんは友人たちが酔っ払ってるとは言え、やり過ぎだ!と憤りを感じました。そしてそのまま怒りながら玄関に向かいました。


Aさんは玄関にたどり着き、怒りに任せてドアを勢いよく開けて言いました。

「おい、お前ら!ふざけ過ぎだろ!前にも言ったろ!これ以上…」



外には誰もいませんでした。

最初はびっくりしたAさんでしたが、すぐに「あいつらふざけて隠れてるんだな…」と思いました。

「それならこっちもドアを閉めて帰ってやる!」Aさんはドアを閉めようとしました。


しかし…


ドアに何かが挟まっているようで閉まりません。

Aさんが足元を見ると…



白い指でした…

驚いたAさんはドアを閉めようとしましたが、指は凄い力で強引に中に入ってきます。


そして指はどんどん中に入ってきて、Aさんの右足首を掴みました。
Aさんは叫び声をあげようとしましたが、声が出ません。Aさんの右足首を掴んだ手は物凄い力でドアの外に向かって引っ張るので、Aさんは必死に抵抗していました。


しかし、さらに…


Aさんの足元にドアの隙間から、別の何かが無理矢理入ってきました…


人間の頭でした…


それは無理矢理ドアの中に入ると上を向き、Aさんを見上げました。そしてAさんを睨みつけました…



Aさんに小学生の時の記憶がよみがえりました…

Aさんを睨んでいるのは、あの天井から出てきた女でした。

女の顔はAさんを睨みつけたまま…


すすすすすすすすすすすすすすす…!


…っとドアに沿って滑るようにAさんの顔と同じ高さまで上がってきました。そして…





「見つけた…!」



女は言いました。


Aさんは必死に女のドアを開けようとする力や外に引っ張ろうとする力に抵抗しました…



そして…



気が付くとAさんは友人たちに囲まれて部屋で介抱されてました。

Aさんはわけがわからず、友人たちに今の状況をたずねました。

すると友人は、自分達がいつものようについさっきAさんの家に来たら、Aさんが、右足を自分の玄関のドアに挟んで倒れていた…。そして意識のないAさんを部屋の中まで運んだ…と言いました。
Aさんの右足はドアにきつく挟んだためか痣だらけになっていました。


Aさんは、小学生の時に見た女の幽霊が出た…と友人たちに話しました。

すると友人たちは、「夢でも見て寝ぼけていただけだろ!」と笑いました。


しかし…


あるものを見つけてAさんも友人たちも驚愕しました。
友人たちはAさんに実家に帰って祖母から貰ったお札を持ってくることを勧めました。

Aさんももちろん同意しました。


Aさんの右足首には、ドアに挟んだ痣だけでなく、強い力で締め上げたような手形がついていました。


そして…


Aさんのマンションの部屋の真新しい白い天井に…

ものすごく怖い顔をした女の顔のような染みが浮き出ていました…(糸冬)

  

Posted by ひふみ 慶 at 17:54Comments(2)怪談

2009年10月27日

枕。ゴゴ日記26

よく見るといかつい本を枕にして寝ているゴゴです(-_-)
家にこんな本ばかりしかない僕も悪いのですが…(-_-)
  

Posted by ひふみ 慶 at 16:12Comments(6)ゴゴ日記

2009年10月25日

怪談(咳)10。

「自分の部屋に帰るのが怖い…」
と、Aさんの友人のBさんは言いました。
大学の学食でAさんが、Bさんから聞いた話はこのような話でした。



ある夜Bさんは、寝苦しくて目を覚ましました。すると…
隣の部屋から咳込む音と時折苦しそうなうめき声が聞こえてきました。

Bさんの部屋は古い木造のアパートで、Bさんの部屋は二階の一番端で隣は老夫婦が住んでいました。
咳は年配女性っぽかったのでBさんは隣のおばあさんが身体を壊して寝込んでいるのだろう、とその時は思っていました。

そして昨日Bさんは、家の近所で老夫婦が散歩しているのを見掛けました。おばあさんも元気そうに歩いていたので声をかけてみました。

「こんにちは。おばあさん、身体の具合はどうですか?」

おばあさんは怪訝な顔をして「何の事?」と聞いてきました。

Bさんは、夜聞こえる咳やうめき声の事を話しました。すると…。

おばあさんとおじいさんは、自分たちは咳なんかしてないし夜中にそんな音は聞いたことがない、と答えました。



Bさんは、納得いかない部分もありましたが、おばあさんもおじいさんも元気そうなので今晩から咳の音も聞こえないだろう、と思うことにしたのでした。ところが…



その晩、つまり昨晩も咳の音は聞こえました。そして…


咳の音の出所を冷静に追ってみると、それは隣の老夫婦の部屋ではなく、自分の部屋の中のどこかだという気がしてきました。
さらに、咳をしている人はおばあさんだと思っていましたが、よく聞くともう少し若い五十歳前後ぐらいの女性だという感じがしてきました。
Bさんは恐ろしくなり、頭から布団を被って寝たのでした。



…その話を聞いたAさんは、話の曖昧な点を整理するため、Bさんにいくつか質問をしてみました。

まず、アパートにBさんと老夫婦以外の住人はいるのか?特に五十歳前後くらいの女性に該当する人はいるのか?

Bさんの答えは、残り四部屋中、三部屋はBさんと同じ男子学生、あと一部屋は一人暮らしの四十代くらいの男性。五十歳前後の女性はいないとのことでした。

では、咳の音はアパートの近所の別の家から聞こえてきた可能性は?

同じ建物の中で響いてる感じがするのでそれはない、とBさんは答えました。

では、咳が聞こえ始めたのはいつ頃から?

Bさんは少し考えて、二週間くらい前と答えました。

Aさんは、「お化けだとしてもそうじゃないとしても、その二週間くらい前に何かあったはずだから心当たりはないか?」とBさんに聞きました。

すると、Bさんはまた少し考えてから言いました。
それはこういう話でした。

Bさんはいつものように原付きスクーターで通学していました。が、その日は前日に降った雨のせいで路面が濡れていました。そしてそのせいでBさんは原付きで転倒してしまいました。
Bさんに怪我はなく原付きの損傷もたいしたことなかったのですが、近くにあったお地蔵さんのお供えものが無茶苦茶になってしまったのでした。
しかしBさんは、その日は急いでいたので無茶苦茶になったお供えものをそのままにしてきた、ということでした。


Aさんは霊現象等には懐疑的な考えの持ち主だったのですが、とりあえず不安要素は解決する意味で、Bさんの案内でお地蔵さんのある場所に向かいました。


お地蔵さんのお供えものは既にきれいに直してありました。
Bさんは、自分の買ってきたお茶をお地蔵さんに供え、手を合わせました。

その後、AさんはBさんと一緒にBさんの家に向かいました。
Bさんの家は本がたくさんありました。それはコレクションという程きれいなものではありません。
Bさんの趣味は古本屋のワゴンで安く売っている本を適当に選んで買ってくる事でした。一冊の相場が十〜二十円等なので、Bさんは手当たり次第気になった本を買ってきました。
なのでとっくに本棚には入りきらなくなった本は、部屋中に無造作に積まれている状態でした。
AさんはBさんの許可を得てその中の気に入った本を時々貰って帰っていました。Aさんがいつものように本を物色していると、高く積まれた本の中から一冊の本がAさんの頭に落ちてきて当たりました。
「痛いっ!」Aさんは、もうちょっと片付けろ!と冗談ぽく言いました。
Bさんは、じゃあたくさん持って帰って、と言い返してきました。
Aさんは何気なく落ちてきた本を見ました。古いミステリー小説の文庫本でした。作者は知らない人でした。
Bさんはそれを見て、「それ、古過ぎて印刷の字がかすれてて、読んでると頭痛くなってくるから、お前にやる」と言ってきました。
Aさんが「いらない!」と言い返すとBさんは笑っていました。Bさんはお地蔵さんの一件でだいぶと気持ちが軽くなっているように見えました。…ところが…。。。





次の日、大学に来たBさんは酷くやつれた様子でした。時折ゴホンゴホンと咳をしています。
BさんはAさんに言いました。「お地蔵さんは関係なかったみたいで、咳は昨晩も聞こえた、それだけじゃなくて誰かの視線のようなものをずっと感じてた。」
そしてBさん自身も朝起きると咳が出て体調が酷く悪くなってたのでした。
結局Bさんは、その日は途中で大学から帰り、次の日からも大学には来ませんでした。

数日後、大学に来ないBさんを気にしてAさんはBさんに電話で連絡をとってみました。すると…。

電話に出たBさんは咳をしながら「俺はもう長くない、頭が痛い、苦しい、見張られている、連れていかれる…」などわけのわからない事を口走っていました。


Bさんが心配になったAさんは、そのままBさんの家に向かいました。
AさんはBさんの体調不良についてこう考えてました。まず、Bさんの家は正直、清潔とは言えない環境です。古本に溜まった埃とかが咳の原因ではないか…?
もうひとつ、女性の咳の音は、単に他の部屋の誰かが女性を自分の部屋に連れ込んでいるのでは…?そして同じ建物の中で響いたら少し篭って聞こえてそれが年配女性の声のように聞こえているのではないか…?


Aさんが、Bさんの家に着くと、Bさんは憔悴しきった様子で布団で寝ていました。
Aさんは、先程の考えをBさんに伝えましたが、Bさんは虚ろな目をして力無く返事をするだけでした。

Aさんは取り合えず、本棚に入りきらない本は荷造りして一カ所にまとめて置く事にしました。
そしてAさんが、本を片付ける作業をしていると…。。。



バサッ………!


Aさんの頭に一冊の文庫本が落ちてきて当たりました。

「痛っ!」と思い落ちてきた本を手に取ると、見覚えがある本です。
それは、前回Aさんが、Bさんの家に来た時にもAさんの頭に落ちてきた古いミステリー小説の文庫本でした。
Aさんは、「またこれか…」と思いつつ他の本と一緒に荷造りして部屋の隅に置きました。

そして暫くしてAさんが本を荷造りしているとまた…



バサッ……………!



また本がAさんの頭に落ちてきました。

落ちてきた本は…

さっき片付けたはずあの古いミステリー小説の文庫本でした。
Aさんは「あれ?」と思い、さっきその古いミステリー小説を荷造りした束を確かめようとしました。その時……!

ドサドサドサドサ…!

まだ片付けていない積み上げてある本が崩れてきました。Aさんは、めんどくさそうに崩れた本の山に近づき、本を直そうとしました。
そして本を何冊か退けた時…………!


積み上げられた本の隙間からAさんを睨む目が見えました。


Aさんは、驚いて後ろに飛びのきました。

Aさんのその様子を見て驚いたBさんはAさんに「大丈夫か?」と声をかけました。AさんはBさんに、大丈夫と答えると、再び本を片付けようと本の山に向かいました。

その時………。Aさんは、自分が右手に持っている本が気になりました。
さっきAさんの頭に落ちてきたミステリー小説でした。
Aさんは、中が気になったのでパラパラっとページをめくってみました。
前にも見た通り、古くて印刷がかすれてとても読みづらい字体でした。

そのままページをめくり、最後まで行って、それを見た瞬間…Aさんに悪寒が走りました。

そしてAさんは、Bさんに「このミステリーの文庫本買ったのっていつ頃?」とたずねました。すると帰ってきた答えは……………………


Aさんの思った通りでした。Bさんに女性の咳の音が聞こえ始めた頃でした。

Aさんは、Bさんに許可を得てそのミステリーの文庫本を古本屋に引き取って貰い処分しました。

すると、Bさんの具合も良くなっていきました。
Aさんは、Bさんに「これから本を買う時は中もちゃんと確認した方がいい」ときつく忠告しました。


Aさんが、あの古いミステリーの文庫本を開いて見たものは…。


ページの所々に茶色い染みがありました。細かく飛び散ったものや指紋の形のものもありました。


見ているうちにそれは血の染みだとわかりました。そして…



最後の後ろの表紙の内側に…






ものすごく達筆な字で女性の名前が書いてありました。(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 13:07Comments(2)怪談

2009年10月24日

パソコンから。

僕は基本的に携帯からブログを投稿したり観ているので、パソコンからの設定に関してはまったく無頓着でした。
トップ画面もファミコン風になってたり…。
あと、パソコンから観ると画像が切れて表示される不具合もあったみたいです。。。
今日は友人に協力してもらってその辺りを改善する事が出来ました。
友人にも、今まで不具合がありながらも覗いて下さってた方々にも感謝です。
これからもよろしくお願いしますf^_^;

画像は寝ぼけ気味のゴゴです☆
  

Posted by ひふみ 慶 at 20:48Comments(2)

2009年10月23日

ちび黒ちゃん直立(猫絵)。



前回に続いてちび黒ちゃんです。
直立させてみました。
子猫の頃は、こういう吊されただけの玩具でも興味津々ですf^_^;
  

Posted by ひふみ 慶 at 12:35Comments(4)

2009年10月22日

コープスパーティー

友人が原作を担当している漫画「コープスパーティー」からのお知らせです!
掲載誌のガンガンJOKERの十一月号が十月二十二日木曜日本日発売です。
宍戸先生を探しに向かう良樹とあゆみ。過換気症候郡の症状を持つあゆみを気遣う良樹。良樹はひそかにあゆみに特別な感情を抱いている。しかし、あゆみは哲志に思いを寄せている。複雑な感情が交錯する中、二人の前にアイツが現れた…!
アンケートハガキに答えると素敵なプレゼントもありますのでそちらも利用してあげて下さい。
写真はガンガンJOKERの表紙です☆
  

Posted by ひふみ 慶 at 17:33Comments(0)

2009年10月17日

ちび黒ちゃん(猫絵)。

黒猫の子供です。
この最近、路上中に出会った方の中に黒猫好きや実際に飼っておられる方がいて、嬉しくなり描いてみました。
僕は黒猫には縁があるみたいで今もゴゴという黒猫を飼ってます。以前にもクロという黒猫、モモという六割くらいが黒のブチ猫がいました。
そんなわけでか、黒猫を好きな人を見ると妙に嬉しく感じます。
そういう事でこの絵を描いていたのですが…。
途中で風邪をひいて倒れてしまいました。一昨日にはアップ予定だったのですが、遅れてしまいましたm(__)m
まあインフルじゃなくてよかったですが。。。
猫絵コメントでは珍しく長くなりましたが、個人的に今回の絵は気に入ってて楽しんで描けましたf^_^;
  

Posted by ひふみ 慶 at 15:22Comments(8)

2009年10月15日

怪談(中古家電)9。

A子さんは、就職のために故郷を離れて一人暮らしをすることになりました。
無事に部屋も決まり、A子さんは家具や家電を揃える事にしました。
そしていろいろと見てまわった結果、新品を買うのではなく、リサイクルショップを利用することにしました。
最初は中古家電に抵抗があったA子さんですが、汚れが目立ったり壊れていたりすることもなく、少し型が古かったりするだけで新品より安価で修理保証も付いているということなので、揃えられる物は中古で購入する事にしました。
洗濯機、電子レンジ、ガス焜炉、テレビ、オーディオ機器…、そして家電製品だけでなく箪笥や本棚といった家具まで買い揃えました。最初の予定より予算をずいぶんと浮かす事が出来ました。
その中でも一番の掘り出し物は冷蔵庫でした。というのもA子さんは料理をするのが好きで、実家にいた時も両親に晩御飯を作ったりしていました。
が、当初新品で購入するつもりだった一人用の小さな冷蔵庫では、いろいろと不便になり料理のレパートリーも限られてくるなぁ…とA子さんは思っていました。
ですが、その掘り出し物の冷蔵庫は冷凍室や野菜室もちゃんと独立してあるファミリータイプのものでした。特価品でかなり安く買えました。少し型が古く冷蔵室の内側の壁に少し傷があるという説明が店員さんからありましたが、見た目は十分キレイでした。
A子さんは、これで実家にいた時と同じように料理が作れる、と喜びました。

引っ越しが落ち着いた頃、就職や進学でA子さんと同じように出て来て近くに住んでいる同郷の友人二人のB子さんとC子さんと一緒にA子さんの家で゛鍋パーティー゛をすることになりました。
A子さんの家に来たB子さんとC子さんは、A子さんの部屋の家電や家具を見て、全部中古品なんて信じられない!、と驚いていました。二人は中古品がこんなにきれいなら、自分たちも中古を買えばよかった、とA子さんに言いました。

A子さんが鍋を仕掛け、三人で囲んで待っていると、C子さんが「鍋ができる前に乾杯だけ先にやらない?」と言いました。
A子さんは笑いながら了承して冷蔵庫から缶ビールを持ってきました。


「乾杯!」


…ビールを一口飲んだ瞬間、三人の顔が曇りました。

ビールがぬるいのです。
A子さんは二人に詫びました。
「ごめんね、あの冷蔵庫、時々冷えてないことがあるの…。特価品だったからかもしれないけど…」

冷蔵庫は時々冷えてない事がありました。A子さんは特価で購入したこともあり、仕方ないと思ってその時は使っていました。

B子さんとC子さんは「やっぱり中古はダメねえ…」と笑いながら冗談っぽく言いました。


…んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!


冷蔵庫からモーター音が鳴り出しました。
少し驚いてC子さんは言いました「ちょっと音大き過ぎない?」

「特価品だから…」とA子さんは苦笑しながら答えました。

そんなことをしてる間に鍋が出来上がりました。
そして鍋に手をつけた三人が同時に表情を歪めました。C子さんが言いました。
「この肉…古くて傷んでない?」

確かに肉はボロボロと崩れ落ちるくらいパサパサし、味もまずいです。そのせいでダシやまわりの野菜まで味が悪くなってました。しかし…。
しかしA子さんは納得がいかずに言いました。
「でもこのお肉、今日三人で一緒に肉屋さんに行って一番高くて良い肉を選んで買ってきた肉じゃない。…帰ってきてすぐに冷蔵庫にも入れたし、腐る間なんて…」

二人の会話を聞いていたB子さんが、頭を抱えて俯きました。顔色も悪く、苦しそうにしています。
心配したA子さんが、
「大丈夫?お肉食べて気分悪くなった?」
するとB子さんは、
「ううん…頭が痛いの…」
A子さん、
「頭痛?風邪かな?…」

その時…


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!


冷蔵庫の音が再び大きく鳴り出しました。それを聞いたB子さんは耳を押さえて苦しそうに言いました。
「A子、ごめん…あの冷蔵庫の音聞いてたら、何だか頭が割れそうに痛い…」


苦しそうにしているB子さんをC子さんが連れて帰り、その日は解散になりました。


それから暫くA子さんは、その冷蔵庫を使っていましたが、不具合はどんどん酷くなっていきました。
冷蔵庫の中の物は冷えなくなり傷む頻度が高くなり、モーターの騒音も大きくなっていきました。


そのためA子さんは、冷蔵庫を購入したリサイクルショップに連絡して保証で修理を依頼することにしました。しかし…。

リサイクルショップの返事は、A子さんの買った冷蔵庫は、゛特価品゛なので修理保証はない、というものでした。どうしても修理したいなら、メーカーに頼んで自費で修理してもらうしかないようで、そうすると凄く高額になるということでした。
それなら返品したい、とA子さんが言うと店側は、購入代金の返却はできない上に引き取り手数料まで発生すると説明しました。こうなるとA子さんは大損です。で、店側に抗議しましたが…

それらの事は購入前にすべて説明した、との返事でした。

そういえば…


A子さんは、冷蔵庫の値段ばかりに目が行き、それらの説明をいい加減に聞いていたことを思い出しました。



結局その日は結論が出ず、冷蔵庫はまだしばらく様子を見る事になりました。



そしてA子さんは、そのまま何とか冷蔵庫を使っていましたが…。


不具合はさらに酷くなり、気温が暖かくなってきたせいか冷蔵庫の中は冷えないどころか生ものはすぐ腐ってしまいました。
それとモーターの騒音も更に不快になり、A子さんも鍋パーティーの時のB子さんのように音のせいで頭痛がするようになってきました。こうなっては冷蔵庫としての機能を果たせてない以上の問題でした。


そのため、A子さんは冷蔵庫のコンセントを抜き、使用しない事にしました。こうなればもういっそうの事処分してしまえば良いと思うのですが…。
A子さんは、この時はまだなるべく損をせずに冷蔵庫を手離す方法はないか、と考えていたのでした。

しかし…。


ある夜、大損をしようが、手数料がかかろうが冷蔵庫を手離さざるを得なくなる出来事がA子さんに起きました。それは…。





ある夜、寝ていたA子さんは寝苦しさに目を覚ましました。寝起きでぼーっとしていたA子さんでしたが、起きた瞬間に違和感を感じました。その違和感とは…。


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんん…!



あの冷蔵庫のモーター音でした…。


冷蔵庫はコンセントを抜いてて動かないはずなのにどうして…!?

A子さんは、冷蔵庫を確かめに台所に行きました。


んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんー…!

冷蔵庫からは、今までで一番大きく不快な音がしていました。A子さんは顔をしかめました。
しかし、音の原因を確かめなくてはいけないのでA子さんは、冷蔵庫のドアを開けました。すると…


そこには…!






小学校低学年くらいの男の子がいました。そして…

「んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんー!」
と唸りながらA子さんの方を睨んでました。


A子さんは、悲鳴をあげ冷蔵庫のドアを閉めて飛びのきました。



……………………………………………………?

しばらくすると゛音゛は止んでました。


A子さんは、もう一度冷蔵庫のドアを開けました。

…男の子はいませんでした。

A子さんは、冷蔵庫の中を改めて見てみました。内壁にたくさんの小さな傷がありました。リサイクルショップで説明を受けたことを思い出しました。


傷を見て何かに気付いたA子さんは、紙と鉛筆を持ってきました。

傷の上に紙を当てて鉛筆で擦ると紙に文字が浮き出てきました。単なる傷だと思っていたものは意味を成した言葉だったのでした。


こんな言葉が綴られていました。

「たすけて」「ごめんなさい」「ゆるして」「だして」「もうわがままはいいません」「ちゃんということをききます」




















「おかあさん」
(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 10:37Comments(6)怪談

2009年10月13日

一周年、路上用の看板。

オタ電ブログにてブログを始めさせて貰って一年が経ちました。
いろいろな方々に観て頂いて感謝してます。
これからもよろしくお願いしますm(__)m

あと、路上用に新しく看板描きましたo(^-^)o

  

Posted by ひふみ 慶 at 14:07Comments(12)イラスト

2009年10月10日

ゴロニャンポーズ(猫絵)。

猫たちがこういう頭を擦りつけるポーズや仕種をしている時って何を思ってるんでしょうか?

機嫌が良い時とか親愛や甘えの仕種とかいろいろ言われてますが…

人間はしない行動なのでやっぱりミステリアスですf^_^;
  

Posted by ひふみ 慶 at 15:51Comments(4)

2009年10月09日

怪談(心霊ビデオ)8。

インターネットである心霊ビデオがアップされてました。
内容はこういう感じです。
まず公園で、ニ〜三才くらいの男の子が遊んでるのを両親がビデオ撮影しているシーンから始まります。子供が走り出し、それをカメラが追い掛けた時、子供のバックに公園周りの風景も映りました。その風景の中に六階建てくらいの古びたビルがありました。そしてそのビルの屋上から人らしき影が落ちました。ビデオカメラをまわしていたお父さんは、驚いて慌てた様子ですが、お母さんも子供もわからないみたいでした。ビデオはそこで終わります。

高校生のAさんは、そのビデオを観て気付きました。ビデオに映ってる公園はAさんの住んでる場所の近くだと。電車で行けば三十分くらいの場所でした。
Aさんは友人のBさんを連れてそのビルに肝試しに行く事にしました。
肝試しと言ってもAさん達は夜に撮影出来るビデオやカメラを持っていなかったので、使い捨てカメラでも撮影可能な昼間に行く事にしました。
Aさん達のとりあえずの目的は心霊写真の撮影でした。ビデオにも映ったのだから、上手くいけば心霊写真も撮れるかも、と考えたのでした。


後日、計画を決行してAさん達は公園に行きました。そしてビデオの撮影場所を探して歩き回っているうちに、件のビルも見つける事が出来ました。

ビルは元はテナントビルのようでした。でも空室が目立ち、前に入っていた進学塾や英会話教室の看板が放ったらかしにされていました。
そしてビルは建物自体は古いのですが、それには不釣り合いな感じで入口にはオートロックの設備が取り付けられていました。これでは鍵がかかってて中には入れません。
Aさん達はビルの中にも入ってみたかったのですが、あきらめる事にしました。そして二人で別々にビルの外観を使い捨てカメラで撮影する事にしました。

AさんとBさんは、最初は一緒にビルの周りで写真を撮っていたのですが、お互いに撮りたい場所を撮っているうちにバラバラに行動してました。

Aさんが一人で写真を撮っていると大学生風のお兄さんが声をかけてきました。
「何撮ってるの?君もネット見て来た?」
お兄さんは、カメラを首から下げていました。風貌から同じように心霊写真を撮りに来てる人だとわかりました。
お兄さんはAさんに「外からばかりじゃつまらないだろう?」と言ってAさんをビルの入口まで連れて行きました。
Aさんは、「入口はオートロックになってて入れない」と言うと、お兄さんは「大丈夫。」と言って数字を打ち込んでロックを解除しました。
驚いているAさんを見てお兄さんは「秘密ルートで仕入れた」と言って笑ってました。

入口に入ってすぐにあるエレベーターの前でお兄さんは、自分は心霊マニアでいろんな心霊スポットを回っていると話してくれました。
そしてこのビルに関しては屋上が一番写真やビデオに霊が撮れやすいと教えてくれました。Aさんはお兄さんと一緒に屋上に行く事にしました。

屋上には使われなくなった看板や給水の機械などがありました。そして屋上の端はすべて不自然に高いフェンスで囲まれていました。

Aさんが屋上で写真を撮っていると、お兄さんが言いました。

「そんなとこで撮っててもダメだよ!」

Aさんが振り向くとお兄さんは言いました。


「このビルは飛び降り自殺した人の霊がとりついるんだ。だから屋上の端(ビルの正面側の)に行って自分の横を写真で撮ると成仏できずに飛び降り自殺を繰り返している霊が写るよ!」

お兄さんに言われ、Aさんは屋上の端に行きました。するとお兄さんがまた言いました。

「そこじゃダメだ!フェンスを越えないと端っこじゃないよ」

Aさんはここまできたら何とか心霊写真を撮って帰りたかったので、フェンスに登り始めました。
Aさんは、フェンスを越えると確かに危険ですが、外側からしっかりとフェンスにしがみつき、足を滑らせないように注意しながら写真を撮ろうと思いました。

そしてフェンスを登りきったAさんの右足がフェンス頂上を越えました。Aさんはその時、右足を何かに引っ張られたように感じ、バランスを崩しました。そして…。。。


「こらぁー!早く降りて来い!」

男の人の声がしました。


Aさんは声のした方を見ると、屋上の入口のドアの所に知らないおじさんとBさんがいました。おじさんは、自分はこのビルの管理人だ、と言いました。

Aさんは、ヤバイと思い、お兄さんの方を見ましたが、お兄さんは既にいませんでした。上手く逃げたんだ…とAさんは思いました。

Aさんは、管理人が怒っているのでフェンスから降りようとしました。その時…!





………………  

Posted by ひふみ 慶 at 14:26Comments(4)怪談

2009年10月02日

ストレッチ(猫絵)。

青空の下で気持ちよさそうにストレッチしてるブチ猫です。
猫のストレッチって筋が伸びてすごくスッキリした感じで羨ましい。。。
細かい作業とかした後にこれくらい豪快に身体を伸ばせたら疲れも取れそうな気がしますf^_^;
  

Posted by ひふみ 慶 at 17:22Comments(6)

2009年10月01日

怪談(秘密基地)7。

Aさんが、小学生の時の話。
Aさんの通っていた小学校には裏に山があり、そこには戦時中に作られた防空壕が残っていました。
Aさんは親友のBさんら数人と一緒に防空壕にガラクタや漫画本を持ち込んで秘密基地にして遊んでいました。
ところがある日のホームルームの時間に担任の先生が、「裏山の防空壕で遊んでいる生徒がいると報告があった。防空壕は古くて崩れる危険性があるので遊んではいけない。特に暗くなってからは絶対に行くな!」と言いました。
それから防空壕にはみんな行かなくなりましたが、AさんとBさんだけは、秘密基地を作った初期メンバーで愛着があったため、こっそりと防空壕に通い続けてました。ただ、二人とも先生の言うように暗くなってからは足元が危険なので明るい内には帰るようにしていました。
そしてそんなある日、AさんとBさんは学校が終わってからまた防空壕で遊ぶ約束をしていました。その日はBさんが掃除当番で遅くなるので、Aさんだけが先に防空壕に行き、Bさんは後で遅れて来る事になってました。
Aさんは学校が終わると予定通りにBさんより先に防空壕に行きました。そしてBさんが来るまで漫画本を読みながら待つことにしました。ところが…。
Bさんは約束の時間になっても全然現れません。Aさんはそのうち来ると思ってじっと待ってましたがBさんが来る気配はありません。季節は冬になろうとしていたので、辺りは薄暗くなりそして肌寒くなってきました。Aさんは帰ろうか、と思いましたがBさんと入れ違いになっても困るので悩んでいると…。
Aさんは、防空壕の隅に見慣れない布のようなものがあるのに気付きました。その白い布には無数の赤い糸が縫い込んであり、布の端には「七生報国」と赤い糸で刺繍されてました。Aさんが、その布を手に取っていると…。
「それは戦争で死んだ息子の形見なんじゃ」

いつの間にか防空壕の中に知らないおばあさんがいてAさんに言いました。
Aさんは、このおばあさんが防空壕で遊んでいる生徒がいると学校に連絡した人だと思い、謝ろうとしました。
すると、おばあさんは「ここは古いから気をつけて遊ぶんだよ」と優しく言いました。


おばあさんは、その赤い糸が縫い込んである布は千人針と言って戦争に行った人がお守りとして身につけていた事、おばあさんの息子は戦争で亡くなり、形見として千人針だけが戻って来たことを、Aさんに話しました。

おばあさんはAさんを見て言いました。
「坊やは、息子の小さい頃にそっくりじゃ。まるで息子が帰って来たみたいじゃ。その千人針は坊やにあげるからお守りにしなさい。」

Aさんは、おばあさんが優しい人で、また防空壕で遊んでも怒られる事はなさそうなのでホッとしていました。


気が付くと外はすっかり夜になってました。Aさんはおばあさんに、もう帰らないといけない、と言うとおばあさんは…。

「もう暗くて危ないから、山を降りた所まで送ってあげる」と言ってくれました。

Aさんはおばあさんについて防空壕を出ました。
そして、おばあさんがAさんに「さあ、行こうか。おいで…」と言ってAさんの手を取ろうとしたその時…。


「おいA!!!」
担任の先生の呼ぶ声がしました。Aさんが声のした方を見ると、少し離れた場所に先生とBさんがいました。
「おいA!早くこっちに来い!」先生は怒っているように見えました。Aさんは、おばあさんにいろいろと話して貰えば先生に怒られなくてすむかもしれないと思い、おばあさんの方に向き直りました。が…。

おばあさんはいつの間にかいなくなってました。

Aさんは、先生に半ば強引に手を引かれて山を下りました。その隣をBさんが青白い顔をして俯いて歩いてました。それを見てAさんは…。
(Bのヤツ、防空壕で遊んでるのがバレてめちゃめちゃ怒られたんだろうな…俺もこれから怒られるんだろうな…)と思っていました。


山の麓に着くと先生の車が停まっていました。Aさんは(学校まで歩いて行ける距離なのに何で車に乗るんだろう?)と不思議に思いました。

車にはAさんが後部座席、Bさんが助手席に座りました。車はやはり学校とは違う方向に進んいます。
Aさんは先生に「どこに向かってるんですか?」と聞いてみました。が、先生は黙って運転して答えてくれません。Aさんは、先生怒ってるんだ…と思いました。先生がルームミラー越しに後部座席の方を怖い顔でチラチラと見ているのがわかりました。
Aさんは今度はBさんに話しかけてみました。Bさんは一瞬後ろを向きましたが、すぐに怯えた顔になり前を向きました。AさんはBさんの態度を見て防空壕の事を告げ口したみたいになってる事が気まずいのかな…と思いました。
Aさんは、先生の車が乗り心地が悪いせいか気分が悪くなってきました。椅子の形状のせいか真ん中の方に重心が引っ張られるのです。

そうしているうちに車は目的地に着き、停車しました。


そこはお寺でした。



先生は先に車を降りて、そのお寺の住職さんと何か話しをしています。

しばらくして、AさんとBさんも車を降りるように言われました。

住職はAさんに言いました。「ポケットの中のモノを出しなさい」
Aさんのポケットの中には、さっきおばあさんから貰った゛千人針゛が入っています。Aさんはポケットから千人針を取り出しました。すると…

綺麗な布だった千人針がいつの間にかボロボロの汚い雑巾のような布に変わっていました。

住職はAさんから千人針を受け取ると、Aさんの後ろに回り、Aさんの背中を平手で思いっきり叩きました。Aさんは強烈なショックで一瞬息が止まりました。
そして住職はそのまま誰もいない方に向かってお経を唱え始めました。

そこに住職の奥さんが来て、AさんとBさんにお寺に入るように言いました。背後ではずっと住職がお経を唱えてました。

AさんとBさんが通された部屋は特別な部屋でも何でもなく普通にこたつやテレビのある部屋でした。奥さんは二人にお菓子やお茶も用意してくれました。そして奥さんは住職の手伝いのためか部屋を出て行きました。

しばらくして怯えていたBさんが落ち着いてきて、Aさんに話し出しました。防空壕に行く途中に先生に見つかって怒られてた事、Aさんの事も喋ってしまった事、その後、先生がAさんの家にAさんが帰ってるか確認の電話をしたところ、まだ帰ってなかったので、先生と二人でAさんを防空壕まで向かえに行った事…。

Aさんは聞きました。「そこまでは何となくわかるけど、何でお寺に来たんだろ?」

Bさんは答えました。「先生はたぶん最初からお寺に来る必要あると知ってたと思う。わざわざ車でお前を向かえに行ったし…。車の運転中もルームミラーで後部座席の方見てたし……夜に防空壕に行っちゃいけないってのは、暗い山道が危ないってだけじゃなかったんだ…。」

A「何?さっぱりわかんないけど、どういう意味?」

B「俺も見たんだよ、車ん中で後部座席のお前の方を振り返った時…」

A「見たって何を?」


B「後部座席でお前を抱き寄せながら、運転席の先生の方を物凄く怖い顔で睨んでるおばあさん。」(糸冬)
  

Posted by ひふみ 慶 at 12:52Comments(4)怪談